余罪記載で公訴棄却
2009年 01月 15日
ニュースでも書かれているが、極めて異例である。
ほかのニュースは、なにが起訴状一本主義違反になったのか書いていないものが多かったが、引用した47ニュースには書いてあった。
どうやら脅迫文言の中で、余罪を起訴状に書いてしまったようである。
この記事だけでもよくわからないが、
”裁判官は「起訴事実より大きな余罪を含めた処罰を求めるもので違法」と指摘。「裁判所の公平性が疑われることは否定できない」”
とまで言い切ったというのであるから、そういう起訴状の書き方だったのだろう。
弁護人が公訴棄却を求めたかどうかは書いていないので、本件について弁護人がどれだけ公訴棄却に寄与したのかどうかは不明である。
本件を離れて考えると、被告人が起訴状が違法かどうかというのは、被告人は法律家ではないからわからない。
そこをチェックするのは、法律の専門家である弁護人の役割である。
しかし、起訴状を見せて、被告人の認否だけを問う弁護人の多いこと。
事実のみをみて、法律を軽視してしまってはいけない。
事実もみて、かつ、法律問題も考える
当然のことだが、実務にはいると忘れがちなことではある。
そのためには、どんなに平凡なようにみえる事件であっても、法律問題がないか、鵜の目鷹の目で探っていくような視線が必要である。