修習生・新人弁護士のレベルは下がったのか
2008年 12月 09日
もしこれが正しければ、当然、弁護士(少なくとも新人弁護士)のレベルも下がったということになるだろう。
なぜなら、修習生をしていていきなりレベルがあがるわけではないんだから。
私も事務所で新人弁護士と日々接しているが、よく考えてみると、修習生のレベルがあがるわけはないのである。
自分に置き換えて考えてみる。
私は、司法試験の勉強を5年間した。
1年目 論文G評価(3500位台より下)
2年目 論文D評価(2000位~2500位)
3年目 短答試験不合格
4年目 論文B評価(1000位~1500位)
5年目 合格
今は、2000人から2500人の間で合格が決まるんだろうか?
そうだとすれば、(制度は違うけれども)、私は2年目で合格してもいいことになる。
しかし、自分の2年目というのを振り返ってみると、いかにお粗末なことか。
そのときの勉強のレベルというのは、合格したときから振り返ってみると、全然していなかったに等しいレベルであった。
ここで合格していたとしたら、「司法試験なんてこんなものか」となめてかかっていたろう。
もちろん、司法修習生になったら、勉強するモチベーションなんてものはないわけで、勉強しなかったろう。
修習生(または新人弁護士)の中には優秀な人間もいる。
だが、そうでない人間のほうが多いだろう。
自分が初学者だったころのことを思うと、そのレベルと合格者のレベルを比べること自体が愚かなことだ。
実際、4年目までの自分は、合格者とのレベルの違いを絶望的なまでに感じていたのだから。
結局、増員ということになれば、必然的にレベルは下がるのである。
いや、正確に言えば、レベルの低い状態の人が不可避的に入ってしまうのである。
ただ、その人々がレベルの低いままにとどまるのか、さらにレベルアップできるかは、修習生や新人弁護士時代にずれこんでいるのだといえる。
そして、もっとも問題なのは、「修習生はレベルが低い」というだけで、修習生や新人弁護士時代にレベルアップを図る必要性を認識させないことなのだと思う。
修習生や新人弁護士が、かつての時代に合格に苦しんだ先達を追い抜くためには、今の時期に猛烈な勉強をすべきなのだ。