3年目くらいまでの弁護士向け実務刑事弁護の覚書


by lodaichi

覚せい剤使用罪における除外事由の証拠

 先日、ある弁護士から、
 「覚せい剤使用罪における除外事由の証拠って最近検察官から証拠請求されないんですかね」
という質問を受けた。

 確かに、従来は、覚せい剤使用罪における除外事由の証拠(被告人が除外事由を有していないことの厚生労働省などの証明書)が証拠請求されていた。
 
 なぜ、今は請求されなくなったのか。
 つまり、除外事由が無いことについては、被告人の自白だけでよいのか、自白の補強法則の
適用は無いのかということだ。

 調べたところ、東京高裁平成17年3月25日(東高時報(刑事)56・30)というのがあるのがわかった。

 結論としては、除外事由が存在する旨の主張があったときは、裁判所は判断しなければならないが、その主張が無い場合は、判断を示す必要が無く、覚せい剤使用罪における法定の除外事由の不存在について、被告人の自白を補強する証拠を判決で挙示する必要は無いというものである。

 検察官は、この判決にのっとって証拠請求しなくなったものであろう。
 
 弁護人としては、証拠請求されないのだから、疑問があれば証拠開示を検察官に働きかけるということになろうか。 

 
[PR]
by lodaichi | 2008-01-16 19:57