3年目くらいまでの弁護士向け実務刑事弁護の覚書


by lodaichi
日弁連メールマガジンより

宇都宮会長の挨拶ということで、持論の増員ペースの減速論がかかげられていた。

「これまで新人弁護士は、就職して先輩弁護士とともに仕
事に取り組みながら、現場の仕事を覚えていきました。医師と
同じように、弁護士も、実務研修が必要です。司法試験合格者
増に見合う就職先がないということが、依頼者である市民の権
利・利益が十分に守られないという結果に結びつくことのない
ように、早急に事態の改善を図らなければなりません。
法曹養成制度の改革には一定の時間がかかるとすれば、増員ペースの
減速(法曹人口の減少ではありません)に着手すべきであると
考えます。」

増員ペース減速論の論拠として、
「司法試験合格者増に見合う就職先がないということ」があげられているが、そうだったら
 ”就職先を増やそうという戦略”
を立案する方が妥当だと思うのだが・・・

 最近、就職している若手弁護士が長時間労働にさらされているという話を耳にする。
 これは、私の周りだけの話なのだろうか?

 若手弁護士が長時間労働をしなければならないということは、仕事としてはあるということだ。

 その仕事をそれこそ「ワークシェア」すればよいのではないかと思うのだが・・・
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# by lodaichi | 2010-04-01 18:01

刑事政策の基本書

 以前からお勧めしていた基本書は、
 藤本哲也教授の刑事政策概論(2008年4月改訂の全訂第6版)
であったが、
http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/32060693

 大谷先生の「刑事政策講義」の新版が昨年4月に出ていたのを最近知った。
刑事政策講義
新版 
大谷実/著
弘文堂
2009年04月
http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1102674664/subno/1

 情報量としては、藤本教授の本が上回っていると思うが、大谷先生のは平易・簡潔に書いてあってわかりやすい。
 藤本刑事政策では、わかりにくいという方は、こちらを読んだほうがよいだろう。
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# by lodaichi | 2010-03-28 19:53

刑事弁護の報いられ感

法テラスのスタッフ弁護士の座談会というものが、2010年2月号の自由と正義(日弁連の会報)でとりあげられていた。

その中で、ある弁護士が「否認事件の刑事弁護を何件もやったが、一つとして主張が通ることはなく、報いられることがなかった。」
というような感想をもらしていた。

統計上からみても、否認事件で無罪がでるということはあまりないから、この弁護士のいうように、被告人の主張(即ち、弁護人の主張)が、なかなか通らないということころはあるかもしれない。

ただ、それに対して「報いられることがない」という感想を抱くことはどうなのか。

刑事弁護において、主張が通らないかというレベルで報いられたか報いられなかったかを感じてしまうのでは、すぐに疲れきってしまって、長続きがしないのではないかと思う。

刑事弁護人は適正な手続きの保障のもとに、被告人の主張が最大限受け入れられることを目的に存在する。

そうであれば
①適正な手続はなされたのか
②被告人の主張は最大限受け入れられたのか
について、それぞれ評価をした方がよい

「報いられた」かどうかは、弁護人の主観的なものだが、それは今の刑事裁判では得られにくいだろう。

そういうところは、弁護人同士で仲間をくんで、達成できた課題を相互に確認する事で解消するしかないのではないか。
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# by lodaichi | 2010-03-21 08:21
新潟でも裁判員裁判が始まるが、弁護士側にいまだ多くの課題が残っている。

新潟県の弁護士のブログより

 新潟地裁長岡支部では裁判員裁判が3件起訴されており、3人しか登録が無いから次の受け手が困っているとのこと

 当事務所では、裁判員裁判が5件あるがまあそれなりにやれてきているかなというところなので(ひとりあたり2~3件もっている;複数選任であるが)、この記事には同じ日本で起こっていることでもだいぶ違うなあという感想を抱かざるを得ない。

 同ブログでは、
 「どうして、こんな弁護人のなり手がいなくなってしまうような制度を弁護士会として賛成してしまったのか。」
との感想を述べているが、少なくとも千葉の若手(裁判員裁判の結構な数を担っている)からそんな声は聞かない。

 裁判員裁判という制度に対応できる弁護士を育てられなかった、という点が問題ではないのか。

 過去を批難しても前進は無い。

 
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# by lodaichi | 2010-03-07 08:06

少年審判傍聴

 事務所の弁護士が少年審判傍聴の事件にかかわっている。

 千葉の少年審判傍聴について、千葉家裁のHPに載っているので、参考になる。

http://www.courts.go.jp/chiba/about2/iinkai/pdf/chiba_katei_giji_21_03_02.pdf
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# by lodaichi | 2010-02-10 06:57

弁護士の説明義務

刑事事件についてのものではないが、

田舎弁護士の訟廷日誌(四国・愛媛)
の下記記事は参考になる。

債務整理事件を受任した公設事務所の弁護士が辞任に当たって説明義務に違反したとして、債務不履行に基づく損害賠償が認容された事例 鹿児島地裁名瀬支部平成21年10月30日判決
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# by lodaichi | 2010-01-28 21:08
新規受刑者の中で
知的障害者とされるべき人の割合がどのくらいかご存知だろうか?

その割合23%(6700人)が知的障害者であるそうだ

知的障害者や高齢者が刑務所の中でどのような処遇をされているかについては
03年に出版された山本譲司・元衆院議員の「獄窓記」(ポプラ社)
にも記されているところであり、問題が多い

そこで、刑務所を出所した知的障害者や高齢者の社会復帰を支援する目的で
地域生活定着支援センター
の設立が各地で進んでいる

これは
厚生労働省が運営費を補助し、全都道府県に開設を要請するもので
設営主体は都道府県になるが
運営は民間団体に委託する
というものである

現在、千葉県ではモデル事業が行われている段階であり、正式な設立には至っていない

以上は2010年1月19日付東京新聞朝刊千葉中央版に記載されていた

新規受刑者の約4分の1に知的障害者がいるというのは驚きの数字である
弁護人としては、必ず身上調書などから被告の学歴を参照し、知的障害があるのかないのか検討すべきであろう。
そして、まずは責任能力の有無というものを検討すべきである。
仮に責任能力の有無というレベルでは問題とならないとしても、知的障害者として社会に適応するにあたっては、数々の困難が存在したはずであり、情状レベルでの責任を減少させる事由とはなるであろうから、この点を情状として考慮するように主張をすべきである。

弁護士として受刑後の生活にまではなかなか手が回らないし、依頼もないであろうが
地域生活定着支援センター
の名前くらいは覚えておいて、何かのおりには、そこに弁護士が相談や問い合わせするということを考えておくのもよい。
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# by lodaichi | 2010-01-26 11:15