3年目くらいまでの弁護士向け実務刑事弁護の覚書


by lodaichi

<   2010年 03月 ( 3 )   > この月の画像一覧

刑事政策の基本書

 以前からお勧めしていた基本書は、
 藤本哲也教授の刑事政策概論(2008年4月改訂の全訂第6版)
であったが、
http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/32060693

 大谷先生の「刑事政策講義」の新版が昨年4月に出ていたのを最近知った。
刑事政策講義
新版 
大谷実/著
弘文堂
2009年04月
http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1102674664/subno/1

 情報量としては、藤本教授の本が上回っていると思うが、大谷先生のは平易・簡潔に書いてあってわかりやすい。
 藤本刑事政策では、わかりにくいという方は、こちらを読んだほうがよいだろう。
[PR]
by lodaichi | 2010-03-28 19:53

刑事弁護の報いられ感

法テラスのスタッフ弁護士の座談会というものが、2010年2月号の自由と正義(日弁連の会報)でとりあげられていた。

その中で、ある弁護士が「否認事件の刑事弁護を何件もやったが、一つとして主張が通ることはなく、報いられることがなかった。」
というような感想をもらしていた。

統計上からみても、否認事件で無罪がでるということはあまりないから、この弁護士のいうように、被告人の主張(即ち、弁護人の主張)が、なかなか通らないということころはあるかもしれない。

ただ、それに対して「報いられることがない」という感想を抱くことはどうなのか。

刑事弁護において、主張が通らないかというレベルで報いられたか報いられなかったかを感じてしまうのでは、すぐに疲れきってしまって、長続きがしないのではないかと思う。

刑事弁護人は適正な手続きの保障のもとに、被告人の主張が最大限受け入れられることを目的に存在する。

そうであれば
①適正な手続はなされたのか
②被告人の主張は最大限受け入れられたのか
について、それぞれ評価をした方がよい

「報いられた」かどうかは、弁護人の主観的なものだが、それは今の刑事裁判では得られにくいだろう。

そういうところは、弁護人同士で仲間をくんで、達成できた課題を相互に確認する事で解消するしかないのではないか。
[PR]
by lodaichi | 2010-03-21 08:21
新潟でも裁判員裁判が始まるが、弁護士側にいまだ多くの課題が残っている。

新潟県の弁護士のブログより

 新潟地裁長岡支部では裁判員裁判が3件起訴されており、3人しか登録が無いから次の受け手が困っているとのこと

 当事務所では、裁判員裁判が5件あるがまあそれなりにやれてきているかなというところなので(ひとりあたり2~3件もっている;複数選任であるが)、この記事には同じ日本で起こっていることでもだいぶ違うなあという感想を抱かざるを得ない。

 同ブログでは、
 「どうして、こんな弁護人のなり手がいなくなってしまうような制度を弁護士会として賛成してしまったのか。」
との感想を述べているが、少なくとも千葉の若手(裁判員裁判の結構な数を担っている)からそんな声は聞かない。

 裁判員裁判という制度に対応できる弁護士を育てられなかった、という点が問題ではないのか。

 過去を批難しても前進は無い。

 
[PR]
by lodaichi | 2010-03-07 08:06