3年目くらいまでの弁護士向け実務刑事弁護の覚書


by lodaichi

<   2008年 12月 ( 12 )   > この月の画像一覧

 千葉県は成田空港をかかえている関係で、薬物の密輸事案というのは多い方ではないかと思われる。

 成田で発覚するケースというのは、税関で発覚するケースが多いので、この場合は、現行犯逮捕ということが多い。

 否認のケースも多く、弁護士になりたて(1ヶ月目)からこれを独りで担当するのはなかなか難しいであろうが、3,4ヶ月もたてば、これを担当できるような技量をつけてほしいものだと思っている。

 以前に薬物の持ち込み事案についての弁護上の問題点を書いたことがあるので、そちらも参照のこと→過去記事
[PR]
by lodaichi | 2008-12-31 09:41

即決裁判手続きの状況

即決裁判14%増、処理の迅速化図る 「反省深まらない」の声も(日経ネット)

即決裁判の統計的な現状が日経新聞の記事に載っていた(12月30日付朝刊)。

 罪名別では
1位 覚せい剤取締法違反 32%
2位 入管法違反 23%
3位 道路交通法違反 19%
4位 窃盗 8%
5位 大麻取締法違反 7%
となっているので、これらの犯罪が多い地裁が必然的に即決裁判の件数も多くなることが予想される。


日経新聞の記事では、地裁別の刑事事件に占める率の高いところものっていて
1位 東京地裁 16%
2位 高松地裁 15%
3位 前橋地裁 同
4位 千葉地裁 13%
となっていた。

 なお、即決裁判手続きで弁護人として留意すべき点については以前にも述べたので、興味のある方はどうぞ(→過去記事)。
[PR]
by lodaichi | 2008-12-30 15:59

修習生と2回試験

修習生の方は、実務における事件処理というものと2回試験というものの相違を日々考えて、修習にあたってほしいと思うものである。

実務における事件処理も2回試験も、いずれも人に評価されるものである。

しかし、その評価の方法は同じではない。

2回試験では、点数という客観的と思える評価基準のみで合否を判定する。
実務における事件処理は、弁護士の場合、主に依頼者の満足という点で評価されるが、それのみならず、その事件に関わったその他の人々の一定の評価も受ける。

その他の人々というのは、
 法曹界以外の人から数えれば、依頼者の周囲にいる人、相手方、相手方の周囲にいる人
 法曹界の人は、相手方の代理人、裁判官、そしてボス弁などの同じ法律事務所の弁護士
などが考えられる。

2回試験では、決められた点数基準という軸ひとつにより計られるが、実務では、多軸で判断される。

もっとも、事件処理にせよ、2回試験にせよ、評価を受ける側の評価基準を読んで、それをクリアーするという点では共通していると考えられる。

それゆえ、2回試験というのは、多軸判断を受ける実務に慣れるための、手段として位置づければよい。

具体的にどんなことを考えればよいかは、それがまさに修習事項であるが、

人生\(^o^)/オワタの二回試験落ち日記

はその一助になるのではないか。
[PR]
by lodaichi | 2008-12-28 15:46

2回試験の不合格率

司法修習生:卒業試験で113人不合格--過去最多
(毎日新聞記事)

不合格率は6.1%。

昔は落ちない試験だと考えられていたが(私の期では不合格者ゼロ)、いまや、落ちても珍しくない試験になったといえよう。

これは当然、司法試験の合格者を増やした事と関係があるだろう。

レベルの低下についての私の考えは既に書いた
こちら

今後2回試験に臨む修習生には、こういいたい。

”試験に臨むプレッシャーは大変だろうが、これに合格するか否かなんて、実務でであう事件ひとつひとつの重さに比べたら何てことない”
と。

 われわれの諸先輩はそのようにがんばってこられたのだと私は考えている。
[PR]
by lodaichi | 2008-12-17 20:42

難民申請が急増

12月11日の夕刊記事で知ったのであるが、

難民申請が急増

だそうである。

例えば、47ニュースによると、

・難民申請者は1996年から毎年100-400人台で推移していたが、2006年に954人、07年に816人と増加。
・今年は昨年の2倍近い1500人程度と、過去最多になる見通し

なんだそうである。

 これまでが多くても400人台だったものが、1500人に増えるのだから大変である。

 弁護士はどれだけこの申請に関与しているかわからないが、この需要増には全然対応できていないんだろうと思う。

 日経新聞夕刊によると、
在留特別許可は400人以上に達する見込み
ということで、結構多くの人が在留特別許可が得られるものだと感じた。

 なお、平均審理期間は約1年8ヶ月。もっとも、この激増では審理期間は延びざるを得ないだろう。

 
[PR]
by lodaichi | 2008-12-16 08:21

法律事務

弁護士は、法律事務所に属している。
法律事務所は、その名のとおり、法律事務を扱うところである。

事務であるから、事務作業を行っているわけである。
修習生までは、この事務作業というのはあまり気にかけないかもしれない。

修習生が、業務として、ファクスすることはないだろうし、郵便もあまりださないだろう。
電話ですら、業務としては、就職活動以外はほとんどしないのではないか。

ところが、弁護士になると、業務として、電話し、ファクスし、郵便をださなければならない。

これらについて一定程度のマナーが必要とされるが、その辺をわきまえていないと、依頼者や相手方からは、「基本的な事務作業すらできないのか」という目で見られるだろう。
[PR]
by lodaichi | 2008-12-11 14:07

外国人の被告人の事件

 外国人の被告人(勾留中)の事件をやっている弁護士から、
「次回が判決で、執行猶予はつきそうなんですが、それからどうなりますかね?」
という質問があった。

 外国人の場合、退去強制事由に該当するのかどうかを検討する必要がある。
 出管法には次のように規定されている。

(退去強制)
第二十四条 次の各号のいずれかに該当する外国人については、次章に規定する手続により、本邦からの退去を強制することができる。
(以下略)

 24条は条文が多くてややこしいので、事件ごとにこの条文にあたるかどうかチェックした方がよいだろう。

 退去強制事由がある場合は収容することができることとなっている。

(収容)
第三十九条 入国警備官は、容疑者が第二十四条各号の一に該当すると疑うに足りる相当の理由があるときは、収容令書により、その者を収容することができる。
2 前項の収容令書は、入国警備官の請求により、その所属官署の主任審査官が発付するものとする。

 いずれもよくわからないのは、条文上「できる」と規定されていること、つまり行政裁量とされていることで、実際の実務がどのように運用されているかということは、条文をいくらみてもわからないということだ。

 弁護人としては、最悪のケースを考えて説明しておく必要があるだろうし、私選であれば、退去強制の問題も含めて受任ということになるだろう。

 国選弁護人の場合、どこまでが弁護人の義務かということが問題になるだろうが、退去強制の問題は明らかに刑事事件とは別事件出るから、受任するとしても、扶助の手続きを利用するということになるだろう。
[PR]
by lodaichi | 2008-12-10 18:01
リーガルマインドの磨き方

柴田光蔵「タテマエの法 ホンネの法」新版増補より

”タテマエがどういうものであるか
 
なぜそのようなタテマエが生まれてこなければならなかったか

タテマエにはホンネというようなものはくっついていないか

そのホンネにはどれほどのインパクトがあるか

などを具体的事案に即して考えるくせをつければ、まちがいなくリーガル・マインドは磨かれる”

柴田氏は京大の名誉教授(ローマ法)
大学時代は、柴田氏の書いたことがなんだかよくわからなかったが、今になってみるとよくわかる。

 上記の文章を実務家的観点から私なりに解釈すると次のようになる。

 具体的なケースに当たったときに、
1 まず、法律がどうなっているのかよく考えよ
2 なぜ、そのような法律になっているのかよく考えよ
3 依頼者の声は、その法律に反映されているのかどうか考えよ
4 その依頼者の声は、どれほどのインパクトがあるか考えよ

 
[PR]
by lodaichi | 2008-12-09 21:19
 「修習生のレベルが下がった」といわれる。
 もしこれが正しければ、当然、弁護士(少なくとも新人弁護士)のレベルも下がったということになるだろう。
なぜなら、修習生をしていていきなりレベルがあがるわけではないんだから。

 私も事務所で新人弁護士と日々接しているが、よく考えてみると、修習生のレベルがあがるわけはないのである。

 自分に置き換えて考えてみる。

 私は、司法試験の勉強を5年間した。
1年目 論文G評価(3500位台より下)
2年目 論文D評価(2000位~2500位)
3年目 短答試験不合格
4年目 論文B評価(1000位~1500位)
5年目 合格

 今は、2000人から2500人の間で合格が決まるんだろうか?
 そうだとすれば、(制度は違うけれども)、私は2年目で合格してもいいことになる。

 しかし、自分の2年目というのを振り返ってみると、いかにお粗末なことか。
 そのときの勉強のレベルというのは、合格したときから振り返ってみると、全然していなかったに等しいレベルであった。

 ここで合格していたとしたら、「司法試験なんてこんなものか」となめてかかっていたろう。
 もちろん、司法修習生になったら、勉強するモチベーションなんてものはないわけで、勉強しなかったろう。

 修習生(または新人弁護士)の中には優秀な人間もいる。
 だが、そうでない人間のほうが多いだろう。

 自分が初学者だったころのことを思うと、そのレベルと合格者のレベルを比べること自体が愚かなことだ。

 実際、4年目までの自分は、合格者とのレベルの違いを絶望的なまでに感じていたのだから。

 結局、増員ということになれば、必然的にレベルは下がるのである。
いや、正確に言えば、レベルの低い状態の人が不可避的に入ってしまうのである。
ただ、その人々がレベルの低いままにとどまるのか、さらにレベルアップできるかは、修習生や新人弁護士時代にずれこんでいるのだといえる。

 そして、もっとも問題なのは、「修習生はレベルが低い」というだけで、修習生や新人弁護士時代にレベルアップを図る必要性を認識させないことなのだと思う。

修習生や新人弁護士が、かつての時代に合格に苦しんだ先達を追い抜くためには、今の時期に猛烈な勉強をすべきなのだ。
[PR]
by lodaichi | 2008-12-09 15:58
 千葉県弁護士会では公設事務所を開設するか否か、公設法律事務所開設検討委員会が検討していたが、以下の答申がなされ、11月12日常議員会で賛成多数で承認された。

1 千葉県弁護士会が現時点で都市型公設法律事務所を開設することは相当でない。
2 困難な刑事事件、裁判員裁判について、私選弁護センター委員会設立検討委員会、刑弁センター等において弁護士会として、人的・経済的援助をする方向で具体策を検討すべきである。
[PR]
by lodaichi | 2008-12-08 10:56