3年目くらいまでの弁護士向け実務刑事弁護の覚書


by lodaichi

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尋問事項書

10何年も弁護士をやっていると当たり前と思っている事柄でも、意外に根拠は忘れたりしてしまうものだ。

事務所の弁護士が、刑事事件がらみで、証人尋問請求をするというので、起案させたところ、尋問事項が欠けているものを作成してきたので、尋問事項が必要ではないかといったが、その根拠については、ぱっとはわからなかった。

今、探したら、尋問事項については、刑事訴訟規則には次のように書いてあるのだ。
この条文からすると、証人尋問請求と「尋問事項書」とは、一応別の概念のようだ。


(尋問事項書・法第三百四条等)

第百六条 証人の尋問を請求した者は、裁判官の尋問の参考に供するため、速やかに尋問事項又は証人が証言すべき事項を記載した書面を差し出さなければならない。但し、公判期日において訴訟関係人にまず証人を尋問させる場合は、この限りでない。

2 前項但書の場合においても、裁判所は、必要と認めるときは、証人の尋問を請求した者に対し、前項本文の書面を差し出すべきことを命ずることができる。

3 前二項の書面に記載すべき事項は、証人の証言により立証しようとする事項のすべてにわたらなければならない。

4 公判期日外において証人の尋問をする場合を除いて、裁判長は、相当と認めるときは、第一項の規定にかかわらず、同項の書面を差し出さないことを許すことができる。

5 公判期日外において証人の尋問をする場合には、速やかに相手方及びその弁護人の数に応ずる第一項の書面の謄本を裁判所に差し出さなければならない。

(昭二五最裁規二八・一部改正)
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by lodaichi | 2008-11-13 20:52
 即決裁判手続きについては以前にも述べた(→過去記事)が、弁護人としてどのような点に気をつけるべきかについて、その後考えたことをメモしておく。。

・一番は、公訴事実の有無のチェックだろう。
 これは当たり前のことであるが、即決裁判手続きなら執行猶予は確実ということで、気を抜くことがありうるが、弁護人としてはそのようなことをゆるがせにしてはならない。

・次に、被告人への説明と同意。
 検察官も説明をしているはずであるが、どこまで被告人が理解しているのか、捜査官である検察官に迎合していないのか、この辺は確認する必要がある。

・方針を決める。
 公訴事実に争いがないかどうか、即決裁判相当であるかどうか、これは弁護人としてきちんと確認すべきだ。

・公訴事実は争わない、罰金の意見も主張しないという方針の場合、即決裁判で何を主要なテーマとするのか考えるべき。
 執行猶予がつけられるのは確実なのだから、通常の裁判のように、あらゆる事項について網羅的に長々と弁論要旨を書いても意味は無いだろう。
 即決裁判の審理時間は30分程度しかないのだから、どこに時間を使うのか、考えどころである。
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by lodaichi | 2008-11-06 08:15
司法研修所では、基本的に刑法犯のみを前提に教えるが、実務では特別法犯が結構ある。

犯罪の構成要件がわからなければ、犯罪の成否がわからないのであるが、特別法犯の構成要件というものは、誰も教えてくれないので、自ら学びとる必要がある。

その学び方であるが
1 まず、条文にあたることは必須である。
単に罰則のところのみを見るのではなく、法律の全体構造も見ておくこと(ざっとながめるだけでもよい)。
それによって、罰則がおかれる意味あいもより理解が深まる。

2 コメンタールがあれば、それの該当箇所を読むこと。
条文を読んだだけでは、どのような論点が存在するのかつかめないから、コンメがあればそれを読む。
当たり前のことのようだが、実際にそれをやっている人間は少ない。

3 判例を読む
もっとも、コンメがでていないことや、法律改正などで当該箇所にコンメが存在しないこともあるから、そういうときは、判例がないかどうか検索する。
ネットの情報も信用に値するものかどうかをふまえて、参照することもよい。
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by lodaichi | 2008-11-04 20:11
修習生や、修習を終えたばかりの新人弁護士と話をしていると、当然知っているであろうことを知らなかったりすることがあり、愕然とすることがある。

人々が当然知っていると思われる知識のことを暗黙知というらしいが、法曹の暗黙知が、修習生にはうまく継承されていないという現象がおきているのではないか。

もっとも、よく考えてみれば、私らの頃は2年だった修習期間は、新修習では1年間になってしまっており、暗黙知継承に必要な期間が削減されてしまっているのだから、これはいたしかたのないことかもしれない。

必然的に、この暗黙知の修得は、弁護士になる場合は、当該法律事務所で行わなければならないが、これは法律事務所サイドからみれば、その分OJTや研修の負担が増えることを意味する。
また、これまでの暗黙知に基いてしてきた指導も、修習生や新人弁護士がどこまで理解しているのかをふまえた上で行う必要がでてきている。
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by lodaichi | 2008-11-04 16:37