3年目くらいまでの弁護士向け実務刑事弁護の覚書


by lodaichi

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千葉県弁護士会では、修習生を対象とする独自の就職説明会を廃止することを決定した。

このことは、平成20年10月28日付けの
「東京三会合同就職説明会」への参加のお願い
という文章で全会員にファクスされた。

主要箇所は、以下のとおり。

 ”当会では、従来行われていました当会独自の司法修習生を対象とする就職説明会を廃止することになりました。
 その理由は、応募修習生の数に比べて採用予定の参加事務所の数が余りにも少ないため、わざわざ遠方から出席する修習生の時間的・経済的負担を考慮すれば、適切な方法ではないと判断したからであり、この様な状況は東京近隣会にとっては同様な状況といえます。”

今後は、東京三会の就職説明会と合同で行われる予定とのことである。
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by lodaichi | 2008-10-31 14:42
 勾留延長決定に対する準抗告(千葉地決平成20年10月29日)(未公刊)には、なかなか興味深いものがあったので、紹介する。

 同決定は、勾留理由があることについて簡単に触れた上で、
「刑事訴訟法208条2項の「やむを得ない事由」について検討する。」
として、次のように判断している。

 ”確かに、被疑者は犯行の一部を否認しており、被疑者と被害者との間に供述の食い違いが認められるのであるから、本件について適正な処分を行うためには、この点について、さらに捜査を遂げる必要があると認められる。しかし、本件は計画性がなく、関係者も限られている上、被疑者が犯行の一部を否認しているとはいえ主要な部分は当初から認めているのであるから、被害者の取調べや犯行再現見分が更に必要であると認められるにしても、そのことのみから直ちに10日間もの勾留期間延長について「やむを得ない事由」があるとは言い難い。また、10日間の勾留期間延長が必要であるなら、それ相応の疎明が必要である。しかし、必要な疎明がなされた形跡はないのであって、この点で安易に10日間の勾留期間延長を認めたと評されてもやむを得ない。すると、原裁判には問題があるといわざるを得ない。”

 事案によっては、延長するためには、「それ相応の疎明」を要求しており、そのような疎明のない請求で延長決定を出したこと自体を否定している。

 これは、検察官の延長請求が安易になされている現状に苦言を呈したものとみることができる。

 どの程度の疎明が出されているかは、弁護人側からは全くわからないので、弁護側からの準抗告がいかに意味があるものかということも改めて感じた。

 なお、本決定を上記の点だけみると、準抗告を認容したかにも見えますが、以下のように新たな事実取り調べをして9日間の延長決定を出している。

 ”もっとも、当準抗告審が新たに事実取調べをした結果によれば、本件後、被害者の心情が安定しなかったことや、被害者側の都合などもあって、検察官による被害者取調べの日程調整が容易でなかったといった特別な事情があったと認められる。”

 準抗告審が新たに事実取り調べができるかという点については、ひとつの論点であり、各自研究されたい。
 新版令状基本問題 問題42参照。
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by lodaichi | 2008-10-31 14:31
千葉地裁松戸支部で無罪判決がでました。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/news/20081020-OYT8T00799.htm
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by lodaichi | 2008-10-21 17:56

法定刑

 事務所に新人弁護士が入ってきたので、まずは当番弁護士に行って、事件を受任するところから指導している。

 私は、「法定刑を調べてからいくように」と言っている。
 修習生のときには、法令の適用を刑事裁判では必ず勉強するはずだが、どうも法定刑を調べるという習慣が定着していないようだ。

 当番弁護士は、罪名しかわからないことも多いので、条文を見て、法定刑を調べるのは基本だと思うのだが・・・

 
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by lodaichi | 2008-10-20 16:17
先般、事務所の若い弁護士と、標題の論点について議論となった。
議論によって浮かび上がったのは、この論点の存在及び結論については、一応の理解は若い弁護士はできているが、なぜこれが論点なのかについては、あいまいな理解しかないということだった。

"なぜこの論点が生じるか"という点の理解が弱い、ないしはあいまいなのは、条文をもとに理論化する力が弱いからだろうと思う。

今の司法試験の勉強ないし修習生の教育が、一度に多くの情報を与えて、いかにこなすかという点に追われてしまっていることの弊害といえよう。

上記論点がいかに生じうるのかについて、一度ふれておくと、刑訴法420条3項
をどのように理解するかに関わるのである。
420条3項は、受訴裁判所のなした勾留の裁判についての規定であるが、これが429条2項で裁判官のなした勾留に関する裁判に対する準抗告にも準用されているのである。

詳しくは、新版令状基本問題の問題63
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by lodaichi | 2008-10-10 14:28

国選弁護報酬水増し請求

国選弁護報酬水増し請求:「制度の根底揺るがす」 法テラス、言い値で支給

本日付毎日新聞トップ記事。
弁護士が接見回数を多めに請求していたというもの
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by lodaichi | 2008-10-10 12:21
飲酒運転で被害者に怪我をさせた被疑者(酒気帯びと自動車運転過失傷害の併合罪;前科話しとする)に、どの程度の刑事処分になるかを聞かれた場合、どう答えるか。

 刑事処分をどう答えるか自体は難しいところだが、弁護士としての量刑感覚が問われる問題である。

 当事務所の新人弁護士君は「自動車運転過失傷害の怪我が軽く、示談が出来れば不起訴も可能ではないか」と答えていたが、それは間違い。

 酒気帯び運転罪だけでも、相当額の罰金があるところである。

 自動車運転過失傷害が加われば、示談ができてぎりぎり罰金ではないかと、私は考えていたが、検察実務はもっと進んでいて、どうやらこの程度でも基本的には正式裁判方向で検討するそうだ(被害者に過失はないというのが前提)。
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by lodaichi | 2008-10-09 08:15