3年目くらいまでの弁護士向け実務刑事弁護の覚書


by lodaichi

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自由と正義2008年9月号92ページ
「責任能力が争点となる場合の防御活動の基本」
がわかりやすい!

 もともと裁判員裁判のために書かれたものであるが、それでなくても非常に参考になるし、明快である。

  
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by lodaichi | 2008-09-25 20:52
「心神喪失で不起訴」一転、「完全責任能力あり」起訴

 殺人事件で、当初、心神喪失で不起訴となり、医療観察法のルートに回ったが、医療観察法で完全責任能力ありとされたため、今度は起訴になったというケースが出た。

 このようなケースが出るであろう事は、医療観察法上も前提とされてはいたが、実際に表れた(しかも殺人という重大事件で)という点が注目ポイントである。

 記事によると、
 鑑定留置による鑑定では、心神耗弱
 その後、検察官が依頼した簡易鑑定の医師は、心神喪失
であったため、検察官が不起訴→医療観察法の入院申立て
をしたが、
 医療観察法の鑑定では完全責任能力
であり、審判でもそれが認定された
という経過である。

 読売新聞記事では、中谷陽二・筑波大教授(司法精神医学)の
「鑑定医の判断が大きく分かれるのは、症状が複雑だったり、判断材料が乏しかったりすることが考えられる。今回のような食い違いをなくすため、司法と精神医学が協力して判断が分かれた原因を分析し、鑑定方法や責任能力の判断について、統一的な基準作りを進める必要がある」
というコメントを出して、鑑定の信頼性の問題としているが、統一的な基準を作るのはかえって危険なのではないかという気がしないではない。

 
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by lodaichi | 2008-09-23 20:58

木更津警察署新庁舎

 千葉ローカルネタで恐縮だが、木更津警察署が9月16日から新庁舎での業務を開始する。

 9月13日付千葉日報によると
・県内でも数ヶ所しかない男女別の留置場を整備
・留置者は従来10人だったが、今後は最大で54人まで
というところが、刑事弁護関係では重要。

 木更津警察での勾留ケースも増えてくると思われる。
なお、場所は旧庁舎とは異なるようなので、要確認。

この総事業費は、約21億7000万円かかったそうである。
警察一つ作るにも多額の経費がかかるものだと、あらためて思った次第。
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by lodaichi | 2008-09-19 15:03
単独犯で起訴された被告人の国選弁護人となったとする。
被告人は「私は単独犯ではなく、Aさんという人と共謀してやったのです。」と主張している。
Aは実行犯ではなく、Aは共謀共同正犯であるとする。
この場合、弁護人としては、被告人とAが共謀していることを主張することになるが、どのような方向で立証をすべきか?

共謀のみというケースでは、当然ながら共犯者との間の謀議(本ケースでは被告人とAとの謀議)はその二者間での会話ということになるから、被告人質問が直接証拠である。
だからまず、被告人質問を立証の柱とすることは間違いではない。
それゆえ、検察官からの反論に耐えられるような詳細かつ具体的な被告人質問を行う必要があり、公判までの接見では被告人側のストーリーを明確にする必要がある。

しかし、被告人質問のみにとどまってしまってはいけない。
新人弁護士の中には、被告人質問だけで立ち止まってしまう者がいるが、被告人質問を支える補強証拠を集め、公判に提出していかなければならない。

例えば、Aは逮捕されておらず、現在行方がつかめないとする。
被告人としては、この事実から「Aは逃亡している。」と考えるだろうが、弁護人が立証するには被告人の推測だけでは弱い。
Aは単に連絡がつかないだけかもしれないし、何らかの用事で一時旅行中というだけかもしれない。
捜査機関がAに共謀者としての嫌疑をかけていれば、Aの身辺調査を行っているであろうから、その関係の証拠が検察官の手元にあるかもしれない。
そんなことを考えながら、検察官手持ちの証拠開示を働きかけてほしいし、自らも関連の証拠を収集してほしい。

「何をしたらいいかわからない。」などというのは、想像力が足りないだけである。
ある事実を立証する為に、捜査機関は捜査して証拠を提出してくるのである。
弁護側としても、それを参考にイマジネーションを膨らませて、事実や証拠をつかんでいかなければなら
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by lodaichi | 2008-09-15 19:54

犯罪収益移転防止法

 今朝、地方紙を見ていたら、
”自分の預金通帳を他人に譲渡したとして警察が犯罪収益移転防止法(通帳の譲り渡し)の疑いで被疑者を逮捕した”
という内容の記事が出ていた。

 ”犯罪収益移転防止法”とは、正式名称を
 犯罪による収益の移転防止に関する法律
という。

 今年の3月1日に施行されている。

 上記の被疑者の通帳は、闇金に使用されていたらしいが、施行前は、銀行に対する通帳の詐欺というような法律構成でいくしかなかった。
 
 これだと、通帳取得時点で詐取の意思がない場合は立件できない。

 この法律ができて、通帳取得時点以後に闇金などに使用させようとした場合も、立件できるようになったわけだ。 
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by lodaichi | 2008-09-10 18:21
 現行61期が弁護士として、当事務所にも入ってきた。

 新人向けにやることは、私の頃と違いメニューが多い。

 まず、今は、国選弁護人として登録することをしないといけない。

 登録自体は、法テラスに連絡して聞けばいろいろ教えてくれる。
 
 実際は細かい内容がいろいろ定められている。
 
 暇をみて、法テラスの国選弁護人のサイトを参照のこと。
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by lodaichi | 2008-09-04 20:55
触法精神障害者施設で覚書 肥前精神医療センターと町

  医療観察法の入院施設である、国立機構「肥前精神医療センター」(佐賀県)についての記事。
 同センターのベッド数は33床であるが、覚書ではこれ以上増床しないとされている点に注目。

 国立施設ですら、ベッド数の増床が見込めないならば、民間施設はもっと難しかろう。
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by lodaichi | 2008-09-01 14:08 | 医療観察法