3年目くらいまでの弁護士向け実務刑事弁護の覚書


by lodaichi

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証拠開示決定について、最高裁の新しい決定がでている。
判示事項、以下のとおり(→全文

平成20年06月25日
法廷名 最高裁判所第三小法廷
裁判種別 決定


判示事項
裁判要旨 1 犯罪捜査に当たった警察官が犯罪捜査規範13条に基づき作成した備忘録であって,捜査の経過その他参考となるべき事項が記録され,捜査機関において保管されている書面は,当該事件の公判審理において,当該捜査状況に関する証拠調べが行われる場合,証拠開示の対象となり得る
2 警察官が捜査の過程で作成し保管するメモが証拠開示命令の対象となるか否かの判断は,裁判所が行うべきであり,裁判所は,その判断のため必要があるときは,検察官に対し,同メモの提示を命ずることができる
3 警察官が捜査の過程で作成し保管するメモの提示命令に検察官が応じなかった場合に,同メモの開示を命じたことは違法ということはできない


参考→過去記事(最高裁平成19年12月25日決定
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by lodaichi | 2008-06-28 09:33
 被疑者弁護で何をしたらいいのかわからないというのは、何も研修所を出たての弁護士に限らないようだ。

 裁判官を退官したあとに弁護士になった人が、被疑者弁護について、「被疑者段階で接見して、何を話せばいいというんですか。記録もないのに。」
 という発言をしたというような話をきいた。
 本当かどうかわからないが、ありそうな話だ。

 被疑者弁護のポイントは、捜査が適正に行われているかのチェックにある。
 その為には、今どのような捜査が行われているのかを、把握する必要がある。

 捜査は
①被疑者に対する取調べ
のほかにも
②参考人に対する聴取
③捜索、差押
④他機関への照会
などなどがある。

 このうち①については、弁護人が接見をして聴取できるはずである。

 ところが、ここをきくだけでも実は容易なことではない。
 被疑者は警察から何時間も調べられているが、そこで話したことを要領よく話してくれるとは限らないからだ。

 弁護人が要領よく質問して、被疑者が捜査機関に対して何を話したのか、調書は作られたのか、作られたとしてそれは任意性、信用性に問題がありそうなのかどうか。
そういうことをきいていくだけでも、時間はいくらあっても足りないはずだ。
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by lodaichi | 2008-06-26 14:42

被疑者弁護

 被疑者弁護で何をしたらいいよのかよくわからん、という弁護士はきっと大いに違いない。

 当番弁護士で行った弁護士が、被疑者から私選でついてほしいといわれているのに、
「被疑者段階でやることはないから、国選でいいんじゃないですか」(被疑者弁護がない時代のことであるから、この場合、国選とは被告人段階まで弁護人としてつかなくていいということを意味する)
と”親切心で”(!)アドバイスしたというようなことを複数聞いたことがある。

 被疑者段階でやることは山ほどあるのだが、どうもそれがわからないらしい。

 このブログでも被疑者段階でやるべきことのヒントはあげてあるはずだが、ブログの読者であるはずの弁護士から、
「先生、今回当番でいったケースは自白でした。接見禁止もついているので、とりあえず、接見禁止の解除でもやろうと思っています。」
などと言われると、いったいこのブログをどうやって読んでいるのかと思う。

 とりあえず、
勾留に対する準抗告
広島における接見禁止準抗告運動
あたりを参照し、実践していただきたい。

 
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by lodaichi | 2008-06-24 06:45
 医療観察法の最高裁決定が最高裁のHPにアップされていた(→平成20年06月18日決定

 内容は、対象行為に該当するかどうかの判断方法について。

 対象行為に該当するかどうかの判断は,対象者が幻聴,妄想等により認識した内容に基づいて行うべきでなく,対象者の行為を当時の状況下で外形的,客観的に考察し,心神喪失の状態にない者が同じ行為を行ったとすれば,主観的要素を含め,対象行為を犯したと評価できる行為かどうかの観点から行うべきである。
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by lodaichi | 2008-06-23 19:44
 事務所の新人弁護士が医療観察法当番弁護士に登録して、2,3ヶ月が過ぎたが、未だに当番が回ってこない。

 ちょっと前まではすぐに回ってきていたのに・・・と思っていたら、このニュースが報じられた。

 殺人や強盗など重大犯罪で収容、精神障害者病床が不足
(私が目にした日経新聞では6月18日夕刊)

 こちらの方が、記事としては詳しい→北海道新聞
 

 病床が満杯だから、検察官は申立を控えているんではないかと。

 これは確証はないが、マスコミさんも調べて、報道してほしいところである。

 なお、記事の内、データとして重要なところは、
「整備計画では、同法施行(二〇〇五年七月)から三年が経過する今夏までに、全国に七百二十床を確保予定だったが、現在十五カ所計三百八十七床にとどまる。」
というところと、
「一方、入院者数は今年三月末には三百九十九人に上り」
というところだろうか。
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by lodaichi | 2008-06-19 20:14

反対尋問の見込み時間

 検察官側が主尋問で、弁護人が反対尋問をしなければならないとき、弁護人は、反対尋問の見込み時間をいわなければならないが、これはどのくらいといったらいいか?

 尋問を重ねていくと、だいたい、このケースではこんな時間ということがわかるが、慣れないうちは途方にくれてしまう事柄のひとつかもしれない。

 目安としては、
「検察官の主尋問の時間と同程度」
といっておけば、これで80%程度は間違いが無いところである。

 もっとも、これを安直に考えてはいけないので、ここから実際の尋問を経て、反対尋問とはどうあるべきなのか、その時間はどのくらいかかるのかを会得する必要がある。
 
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by lodaichi | 2008-06-12 07:36
 常習性のある犯罪は多いが、性犯罪もそのひとつであろう。

 常習性があって、実刑確実というような性犯罪の場合、弁護人として何をやったらよいかと悩むときもあるかもしれないが、そのときは

針間 克己
『性非行少年の心理療法』 有斐閣選書

が参考になるかもしれない。 
 もっとも、この本、今は再販予定がないらしいから、図書館で読むしかないが・・・

 針間医師は、現在
はりまメンタルクリニック
の院長である。
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by lodaichi | 2008-06-01 21:07