3年目くらいまでの弁護士向け実務刑事弁護の覚書


by lodaichi

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 前回、
  当番弁護士運営規則(平成18年10月2日施行のもの)
を掲載したが、これについて少し解説しておく。

 表題にもあるように、この規則は平成18年10月2日に改正されたものである。
 それ以前のものについても、以前ブログに掲載したことがあるので、興味のある方はそちらもご参照いただきたい(→こちら

 平成18年10月の改正は、
  刑訴法により規定された弁護人紹介制度
が施行されたことによるものである。

 第1条で、
 「弁護人紹介の申込に速やかに応ずるため」
という文言が新設されたことからもそのことがわかる。

 もともと当番弁護士制度は、被疑者国選弁護制度までのつなぎなどという位置づけで論議されてきたこともあったが、被疑者国選弁護制度とは別に、
 弁護人紹介制度を機能させる目的
があることを明示したものである。

 そういう意味で、当番弁護士制度が新たな一歩を踏み出したものと位置づけることもできるだろう。

 
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by lodaichi | 2008-02-27 21:52 | 千葉県弁護士会規則

犯罪被害者弁護

 犯罪被害者の代理人になることも、実務刑事弁護のひとつの課題だと思います。

 刑事弁護というと、被疑者・被告人側からみることが多いので、被害者の視点に立つことがなかなかできないかもしれません。

 そういう弁護士は、まず、検察庁の
  犯罪被害者の方々へ
を参照してください。
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by lodaichi | 2008-02-26 09:11
千葉県弁護士会
当番弁護士制度運営基準(平成18年10月2日から施行のもの)

第1条
(当番弁護士制度等運営委員会及び事務局)
千葉県弁護士会刑事弁護センター(以下「刑弁センター」という。)に若干名の当番弁護士運営委員を置き、事務職員とともに当番弁護士制度事務局を構成する。
2 事務局は、以下のことを行う。

一 当番弁護士登録名簿の作成
二 名簿登録弁護士の当番日の指定
三 接見または弁護人紹介の申込みの受付・受理と、当番弁護士への通知
四 当番弁護士からの報告の受理
五 接見手当の支給
六 その他当番弁護士制度の運営に関する事務

第2条(当番弁護士登録名簿) 当番弁護士登録名簿は予め作成する。

第3条(受付) 身体の拘束を受けている被疑者(以下「被疑者」という。)又はその弁護人選任権者からの申込は、別に定める当番弁護士接見申込書による。ただし、電話・電報による申込みの場合は、担当者の作成する電話電報受理報告書の作成によって申込書に代えるものとする。

第4条(除外措置) 刑弁センターは、被疑者またはその弁護人選任権者からの申込が当番弁護士運営規則第十四条により本制度を利用できないものに該当するときは、直ちにその旨を申込者に通知する。

第5条(受付受理)  弁護士会の執務時間である平日午前九時から午後五時までの間に受け付けたものについては、当日申込を受理したものとして扱う。
2 弁護士会の執務時間外でかつ当番弁護士待機時間外に留守番電話で受け付けたものは直近の弁護士会の執務を行う日の午前九時に受理されたものとして扱う。

第6条(管轄) 当番弁護士制度は、千葉県内に存在する拘置所・代用監獄に留置されている被疑者の事件について行う。
2 被疑者が松戸・木更津・八日市場・佐原・館山の管内に留置されているときは、近くの弁護士を推薦することができる。

第7条(当番弁護士の任務)
当番弁護士は、被疑者と接見・面談して弁護人依頼権その他被疑者の権利、当番弁護士制度及び弁護人紹介制度について説明し、かつ必要な助言を行うほか、被疑者からの申出ある場合には、私選弁護人受任に関する協議を行う。
2 当番弁護士は、被疑者に対し、被疑者弁護人援助事業について説明する。

第8条(接見報告書の提出期限) 被疑者と接見した当番弁護士は、原則として、接見後12時間以内に別に定める接見報告書を刑弁センターに提出しなければならない。

第9条(接見手当) 当番弁護士運営規則第11条の接見手当は、次に掲げるとおりとする。
1 法律事務所所在地を基点として、直線距離で60キロメートル以上離れた接見場所で接見した場合 1万5千円(税込み)
2 前号以外の場所で接見した場合 1万円(税込み)
3 連続して同一の接見場所で別の被疑者と接見する場合、2回目以降につき5千円(税込み)

2 接見日が年末年始期間、ゴールデンウィーク中の祝日等の特別期間に該たる場合には、前項の手当に5千円(税込み)を付加する。

第10条(受任報告書)  事件を受任した弁護士は、別に定める受任報告書を刑弁センターに提出する。
2 受任弁護士は、事件が終了したときは、別に定める終了報告書を刑弁センターに提出する。

第11条(国選弁護との関係) 被疑者弁護人援助制度を利用して受任した弁護人は、当該事件が起訴された場合は弁護人を辞任する。
2 辞任した弁護士が起訴後の国選弁護人に選任されることを希望した場合は、本会は当該弁護士が国選弁護人に選任されるため必要な手続を執る。

第12条(通訳及び交通費) 当番弁護士運営規則第15条第2項の通訳手当は、1万5千円(税込み)とする。ただし、通訳人の自宅を基点とし、接見場所までの往復の時間、接見時間及び必要な待ち時間の合計が3時間未満のときは1万円(税込み)とする。
2 通訳人に支給する交通費は、通常の経路及び方法により旅行した場合の鉄道料金及び車賃(バス料金)とする。ただし、最寄りの駅から接見場所までの距離が2キロメートル以上でバスによることが著しく不相当なときは、タクシー料金を支払うことができる。
3 当番弁護士運営規則第15条第3項の手当は、5千円(税込み)とする。

附 則 第3条、第7条第1項及び第2項、第8条、第9条第2項及び第11条第1項、同条第2項の改正規定は、日本弁護士連合会の承認を得て、平成18年10月2日から施行する。
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by lodaichi | 2008-02-24 12:36 | 千葉県弁護士会規則
千葉県弁護士会 
当番弁護士運営規則(平成18年10月2日施行のもの)

第1条(目的)  千葉県弁護士会は、身体の拘束を受けている被疑者(以下「被疑者」という。)」又はその弁護人選任権者からの接見又は弁護人紹介の申込に速やかに応ずるため、当番制により弁護士の派遣を行う制度(以下この制度を「当番弁護士制度」といい、派遣される弁護士を「当番弁護士」という。)を設ける。

第2条(実施担当機関) 本当番弁護士制度の実施は、千葉県弁護士会刑事弁護センター(以下「刑弁センター」という。)が担当する。

第3条(当番弁護士登録名簿) 刑弁センターは、会員の申出に基づいて当番弁護士登録名簿を作成し、弁護士会に備え置く。

第4条(当番弁護士の指定) 刑弁センターは、前条の名簿に基づき、あらかじめ登録弁護士の当番日を指定する。

第5条(申込みの受付・受理)  接見又は弁護人紹介の申込みの受付は、弁護士会を通して行うこととし、電話・電報による申込も受け付ける。
なお、申込の趣旨が接見に限るのか弁護人紹介まで含むのか明確でない場合には、弁護人紹介の申込があったものとして受け付ける。
2 弁護士会の執務時間外は留守番電話により受け付ける。
3 申込を受理した場合には、直ちに当番弁護士に通知する。

第5条の2(派遣制度)  刑弁センターは次の場合、当番弁護士登録名簿登録弁護士に対し、被疑者との接見を要請することができる。

一 法定合議事件等重大な場合
二 被疑者等が少年、外国人等で弁護人の援助が必要と認められる場合
三 その他特に弁護が必要と認められる場合

2 委員会派遣制度により派遣された弁護士に対し、当番弁護士運営規則を準用する。

第6条(当番弁護士の任務)  通知を受けた当番弁護士は、原則として受理当日中に被疑者と接見しなければならない。ただし、やむを得ない事情がある場合にはこの限りでない。
2 当番弁護士は、当番日には速やかに接見等をなしうる態勢を整えて待機する。

第7条(接見手数料) 被疑者の接見については、接見手数料を徴収せず、被疑者は、原則として一回に限り無償で当番弁護士の接見を受けることができる。

第8条(事件の受任) 当番弁護士は、被疑者が希望するときは、特段の事情がない限り受任するよう努める。

第9条(事務手数料の納付) 削除

第10条(被疑者弁護人援助制度実施機関への申請)
被疑者が事件の委任を希望するが、経済的理由により弁護士費用が払えない場合で、当番弁護士が被疑者弁護人援助制度の要件を満たしていると判断するときは、当該弁護士は、被疑者弁護人援助制度実施機関へ被疑者弁護人援助手続の申請をする。ただし、刑事訴訟法37条の2に定める事件の場合はこの限りでない。

第11条(接見手当)  当番弁護士が、被疑者等と接見したが、被疑者が事件の受任までは希望しない等の理由により事件を受任しなかった場合には、刑弁センターが当該弁護士に接見手当を支給する。

第12条(他機関との協議) 刑弁センターは、本制度の効果的な運用を図るため、裁判所、検察庁、拘置所、警察署、報道機関等と緊密な協議を行い、その協力を求めるものとする。

第13条(当番弁護士制度運営基準) 本制度の運営は、別に定める当番弁護士制度運営基準による。

第14条(当番弁護士制度の除外措置)
刑弁センターは被疑者又はその弁護人選任権者からの申出にかかる事件が、本規則による手続で当番弁護士を推薦することが不相当又は困難と認めた時は、本制度を利用させないことが出来る。

第15条(通訳を要する場合)
被疑者が日本語に通じないときは、当番弁護士は、被疑者の理解する言語に通じる通訳人と共に接見する。ただし、当番弁護士自身が被疑者の理解する言語に通じているときは、この限りでない。
2 刑弁センターは、当番弁護士が通訳人と共に接見したときは、通訳人に当番弁護士制度運営基準によって定める通訳手当及び交通費を支給する。
3 刑弁センターは、被疑者の理解する言語に通じている当番弁護士が被疑者と接見したときは、第11条による接見手当の他に、当番弁護士制度運営基準よって定める手当を支給する。

附 則 第1条、第5条、第6条、第8条、第10条及び第11条の改正規定は、日本弁護士連合会の承認を得て、平成18年10月2日から施行する。
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by lodaichi | 2008-02-21 07:47 | 千葉県弁護士会規則

弁護人の役割

 弁護人の役割はサッカーのPKのキーパーのようなものだというブログ記事がありました(→今枝弁護士のブログ)。

 たとえとしてしっくりくるかどうかはともかく、ひとつの参考にはなると思います。
 なお、今枝弁護士は光市母子殺害事件の弁護団の一角を担っていた方(現在は違います)です。
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by lodaichi | 2008-02-19 10:15
弁護士 Barl-Karthによる もう幾つ寝るとEpiphany~日記」に、刑事の公判で必要な能力ということで以下のような文章が載っていた。
 
 公判では「オーラルバトル能力」「オーラルコミュニケーション能力」が求められる。しかし,そういう戦闘能力がある弁護士がどれくらいいいるかというと,実は少ない。これらの戦闘のためには高度の学力が必要だ。変な言い方だが「学力が筋肉化」してないと使い物にならない。分かるだろうか?

 たとえば「伝聞法則」を完全に理解し条文が頭の中に入っていないと,法廷における戦闘に勝てない。


 「学力の筋肉化」、非常におもしろいたとえだが、的確だ。
 上記の点については、私も全く賛成である。

 しかし、上記の点に続いて以下の記述が出てくるのだが、その点については完全に賛成というわけではない。

 そういう点から見ると,最近の若手法律家の学力低下は,遺憾である-伝聞の基礎的考察が全然出来ていない-。

 「最近の若手法律家の学力低下」というのは、事実認識としては私も同じだ。
 しかし、いきなり若手が学力の筋肉化ができるかといってもそれは無理で、そのようなことは私もすぐにできたわけではない(今でもできているかは心細いが)。

 学力低下は、法律家の世界だけでなく、おそらく世代的に進んでいるものであるし、仮にそうでなくても、何ら教えないで、筋肉化ができるほど、最近の弁護士は自分の頭で考えていないし、考えようともしない。

 ここで、「遺憾だ」と若手の批判だけをしても生産的ではないのであって、若手がどうやったら考えるようになるのか、いわば「筋肉化」がどうできるのかを考えるのが、先達としては課題なのだと思う。

 この作業は、やってみると非常に大変で、自分が刑事事件をやった方がはるかに楽ではないかと思うときもないではないが、将来を考えれば、必要な作業であると考えている。

 つまり、先達の使命は、批判ではなく、教育であると、かように私は思うわけである。
 そして、その教育という作業は、これまでの弁護士にかけていた視点・能力である。
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by lodaichi | 2008-02-16 07:47
刑事事件の懲戒情報
 自由と正義2008年1月号に1件、掲載されていました。

 刑事事件の詳細は不明ですが、1回結審、第2回公判期日で判決言い渡し予定であったとのことなので、おそらく自白事件。

 弁護人は、被告人に3回接見したというところまでは、まったく問題ないのですが、
1 被告人とその後も接見の約束をしていたのに、すっぽかした
2 被告人から繰り返し接見希望や質問がなされたのに無視した
3 判決言い渡し期日に欠席
4 その欠席に対して被告人に連絡、陳謝せず
5 被告人から情状証人をたてることを依頼されたのに、結局連絡を怠ったので情状立証の機会を失わせた
というような事実が認定されています。

 懲戒としては、
  業務停止2ヶ月
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by lodaichi | 2008-02-14 19:43 | 弁護士懲戒事例(刑事関係)

医療観察法における抗告

医療観察法における抗告について注意点

 抗告事由に関する条文は以下のとおり

医療観察法64条2項
 対象者、保護者又は付添人は、決定に影響を及ぼす法令の違反、重大な事実の誤認又は処分の著しい不当を理由とする場合に限り、第四十二条第一項、第五十一条第一項若しくは第二項、第五十六条第一項若しくは第二項又は第六十一条第一項若しくは第三項の決定に対し、二週間以内に、抗告をすることができる。ただし、付添人は、選任者である保護者の明示した意思に反して、抗告をすることができない。

つまり、
1 決定に影響を及ぼす法令の違反
2 重大な事実の誤認
3 処分の著しい不当を理由とする場合
に限られるということだ。

 次に、抗告は執行停止の効力はないのが原則(69条)。
 69条はこう規定している。

抗告は、執行を停止する効力を有しない。ただし、原裁判所又は抗告裁判所は、決定をもって、執行を停止することができる。

 実務の運用をみていると、入院決定が出た時点で、即刻対象者は入院先に入院しているようだ。
 入院先は全国に広がっているので、決定が出た時点では、対象者と面会することは困難ということが多いというべきだろう。

 抗告裁判所の調査の範囲については、66条。
 「抗告裁判所は、抗告の趣意に含まれている事項に限り、調査をするものとする。」
となっているから、「抗告の趣意」というのがとても大事だ。

 この「抗告の趣意」については規則にも規定がある。

 抗告申立書には抗告の趣意を簡潔に明示しなければならない(規89条)。

 これは、少年事件の規定とほぼ同じで、少年事件で、刑事事件の控訴状のように「全部不服であるから」という抽象的なものは不適法となるという判例が確立しているから、医療観察法でも同じに考えられるだろう。

 つまり、抗告の趣意は簡潔であれば足りるが、主張すべき点は全て明示すべきである。
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by lodaichi | 2008-02-12 18:27 | 医療観察法

弁護人の心構え

 弁護人が、公訴事実の有無を認定できるか否か検討するについては、自分が起訴検事になったつもりで考えるべきだ。

 弁護人は、被告人が「公訴事実は争いません」と接見で聞いただけで、安心してしまい、争うことを忘れてしまう。

 起訴検事ならそんなことは考えない。
 被告人が認めていようが、それを裏付ける証拠(甲号証)がなければ、有罪にできないからだ。

 弁護人も、被告人が述べるところは、述べるところとして一応頭に置いた上で、
  被告人が主張するところは、他の証拠で裏付けられるのか
ということを念頭におかなければならない。

 検察官が請求してくる証拠も、
   これは信用できるのか、疑問に思えるところは無いか、他の証拠との矛盾は無いのか、
という観点から吟味する必要がある。
 
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by lodaichi | 2008-02-09 08:23
刑事事件の懲戒情報
 自由と正義2007年12月号に1件、掲載されていた。

 控訴審で弁護人を選任
 被告人から弁護人に対して控訴趣意書作成の打ち合わせのための手紙による接見要請があったが、弁護人は接見せず。何の連絡もせず。控訴趣意書の提出前に趣意書の内容の説明もなし。

 懲戒としては、
  戒告

 原弁護士会は、懲戒しなかったが(接見しなかったが、それによって控訴趣意書の内容が不備不当とはならなかったからという理由)、日弁連でこれを覆した。
 「刑事弁護人としては、特段の事情がない限り、被疑者・被告人に接見することをゆるがせにしてはならない。」
とし、本件では特段の事情なしと認定。
 接見に対する日弁連の厳しい姿勢をこの処分にみることができる。
 
 
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by lodaichi | 2008-02-05 15:06