3年目くらいまでの弁護士向け実務刑事弁護の覚書


by lodaichi

カテゴリ:千葉大ロースクール(2年次)( 4 )

1月29日講義用課題

刑事実務基礎  2007年1月22日(本講義は1月29日の予定でしたが、22日に変更になりました) 10:30~12:00、14:30~16:00

(本講義課題について)
 講義において各設問に対して回答できるように各自準備すること。

(問題) 以下の起訴状の事件の国選弁護人にあなたがなったとして、以下の設問に答えよ。

起訴日 平成15年10月15日
住居 千葉市(以下略)
職業 無職
氏名 A(25歳)
「被告人は法定の除外事由がないのに、平成15年9月26日ころ、千葉市(以下略)の被告人方において、覚せい剤であるフェニルメチルアミノプロパン塩類を含有するもの若干量を自己の身体に注射して施用し、もって覚せい剤を使用したものである。」
覚せい剤取締法 第41条の3、第19条
 
弁護人はAに接見し、Aから以下の事情を聴取した。
 「起訴された事実は間違いありません。警察や検察の捜査にも何ら不服はありません。
 私は、25歳でこれまで結婚はしたことがありません。私は、一人っ子で、兄弟はおりません。両親は健在で、千葉県の片田舎に住んでいます。高校までは実家で過ごしていましたが、大学生からずっと一人暮らしをしております。
 大学をでて、ある国家試験を受けるために浪人生活をしており、現在は塾の講師を週に3日ほどしているのと、両親からの仕送りで生計を立てています。
 これまでに前科はありませんし、警察のやっかいになったこともありません。
 覚せい剤に手を出してしまったのは、1年位前からで、国家試験の勉強時間を確保するためにできるだけ寝ないようにするにはどうしたらいいかということを考えていたところ、友人からいい薬があるよと言われて、手を出してしまったのが覚せい剤でした。最初は1ヶ月に一遍くらいだったのですが、最近は1週間にいっぺんくらいになってしまいました。当初は、あぶりでしようしていたのですが、つかまったころは、注射使用もしていました。
 今後はやはり国家試験を受けて、資格を得たいので、是非よろしく弁護していただくようお願いいたします。」

 弁護人の弁護活動もあり、判決主文は以下のようになった(判決日2003(平成15)年12月6日)。
「被告人を懲役1年6月に処する。
この裁判確定の日から3年間刑の執行を猶予する。
訴訟費用は被告人の負担とする。」

小問1 この判決の内容をAに説明せよ。
小問2 上記の判決が保護観察付き執行猶予であったとしたらAにどのように説明するか。

 上記判決は、双方の控訴なく、控訴期間の満了日に確定した。
 2006年8月26日になって、Aの両親から連絡があり、Aが再び覚せい剤使用罪で起訴されたので、私選弁護人としてついてほしいという依頼があった。
 あなたはこの依頼を受け、Aの弁護人となった。
 Aの起訴状の内容は、以下のとおりである(なお、Aは勾留されているものとする)。
「被告人は法定の除外事由がないのに、平成18年6月26日ころ、千葉市(以下略)の被告人方において、覚せい剤であるフェニルメチルアミノプロパン塩類を含有するもの若干量を自己の身体に注射して施用し、もって覚せい剤を使用したものである。」
覚せい剤取締法 第41条の3、第19条

Aに対しては、判決主文は以下のようになった(判決日2006年10月26日)。
「被告人を懲役1年2月に処する。」

小問3 Aに対して、上記判決の内容および今後の手続きをどのように説明するか。

 Aは刑務所に行くこととなった。
小問4 Aの次の質問に答えよ。
  1) 刑務所では今まで勾留された時と次の点は同じですか、違いますか。違うとすれば、どうなのですか。
  ①面会、②手紙の発受、③自費で食事を取ることの可否、④衣服、
  2) 仮釈放というものがあると聞いたのですが、どのようなものですか。

小問5 当初の覚せい剤取締法違反事件(起訴日 平成15年10月15日のもの)のような事件は、本年10月1日以降は即決裁判手続きで行われる可能性が高いものと思われる。
 即決裁判手続きとはどのようなものかについて各自勉強し、被告人やその家族から制度を聞かれても回答できるようにすること(講義でもその観点から質問する)
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by lodaichi | 2005-04-26 01:40 | 千葉大ロースクール(2年次)

12月18日講義用課題

刑事実務基礎  2006年12月4日 10:30~12:00、14:30~16:00

(本講義課題について)
 講義において各設問に対して回答できるように各自準備の上、臨むこと。

(問題)
 被告人A(女性)は覚せい剤取締法違反事件(覚せい剤の使用)で千葉地方裁判所に起訴され、あなたがAの国選弁護人に選任されたとする。
 Aの起訴状は以下のとおりである。
 「被告人は法定の除外事由がないのに、平成17年7月26日ころから同年8月3日までの間、千葉県内及びその周辺において、覚せい剤であるフェニルメチルアミノプロパン塩類を含有するもの若干量を自己の身体に注射又は服用して施用し、もって覚せい剤を使用したものである。」
 
参考条文:覚せい剤取締法
第19条 左の各号に掲げる場合の外は、何人も覚せい剤を使用してはならない。(以下略)
第41条の3 次の各号の一に該当する者は、十年以下の懲役に処する。
 一 第19条(使用の禁止)の規定に違反した者
(以下略)

 早速、被告人に接見したところ、被告人Aは、「自分は覚せい剤は使用していないので、尿中から覚せい剤が出る筈はないが、出たとすれば、私とつきあっているB(男性)が、私の知らない間にお酒に覚せい剤を入れたからではないか。尿を出す3日前にBから勧められて飲んだお酒がいつもと違ったような味がした。」と主張しており、Aの捜査段階の供述調書でも同じ供述がなされていることがわかった。

問1 以上のような起訴状で訴因が特定されているといえるか検討せよ。
 また、仮に訴因が特定されていないと考えられる場合、弁護人として公判手続きにおいてどのようにするのが妥当か検討せよ。

問2 被告人は、浦安警察署の留置場で勾留されているものとして、弁護人が、千葉刑務所拘置監(これが千葉の拘置所の正式名称である)に勾留場所の変更を求めたい場合、そのようなことが可能か。以下の諸点も踏まえて検討せよ。
 ①刑事訴訟法上勾留の場所に関する規定は存在するか。
 ②警察署の留置場を勾留場所とすることのできる法的根拠はどこにあるか。
 ③被告人、弁護人側から見て被告人が警察署の留置場に勾留されるデメリットはどのようなものがあるか。
 ④ 勾留場所の変更を弁護人が求めたが、裁判官がこれを認めなかった場合、不服申立方法があるか。

 2005(平成17)年9月10日に第1回公判、10月1日に第2回公判が行われた。第2回公判ではBの証人尋問(弁護人の請求による)、被告人質問が行われ、10月22日に論告、弁論が行われて結審となる予定となった。
 ところが、10月12日になって、検察官から弁護人に対し、
「Aを昨日取調べ、供述調書(検面調書)を作成したので、次回公判で証拠請求する予定である。弁護人にこれを開示するから、ご検討願いたい」
旨の連絡が突然あった。弁護人がこれを検討したところ、
「Bから勧められて飲んだお酒の中に、覚せい剤が入っているかもしれないと思いました」
との供述がなされていた。Aに接見して経緯を聞いたところ、Aは
「検察官は10月11日に、私のところに来て『Bの公判の為に必要だから協力してほしい』と言いましたので、Bの公判の為にしか使われないだろうと思って、取調べに協力しました。供述調書の内容は間違いなく、覚せい剤が入っているかもしれないと思ったのは事実です」
と述べた。

問3 10月11日付のAの検面調書の証拠能力について、主に起訴後取り調べが許されるか否かの点から検討せよ。
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by lodaichi | 2005-04-24 16:53 | 千葉大ロースクール(2年次)

12月4日講義用課題

刑事実務基礎  2006年12月4日 10:30~12:00、14:30~16:00

(本講義課題について)
 講義において各設問に対して回答できるように各自準備の上、臨むこと。

(問題) 以下の起訴状の事件(公訴提起日平成14年11月1日)の国選弁護人にあなたがなったとして、以下の設問に答えよ。

住居 千葉市(以下略)
職業 無職
氏名 A野A男(25歳)
「被告人は法定の除外事由がないのに、平成14年9月26日ころ、千葉市(以下略)の被告人方において、覚せい剤であるフェニルメチルアミノプロパン塩類を含有するもの若干量を自己の身体に注射して施用し、もって覚せい剤を使用したものである。」
覚せい剤取締法 第41条の3、第19条

小問1 Aに対して、公判の手続をわかりやすいように説明せよ(平成14年の事件であり、即決裁判手続ではないことを前提とする)。
 
 弁護人はAに接見し、Aから以下の事情を聴取した。
 「起訴された事実は間違いありません。警察や検察の捜査にも何ら不服はありません。
 私は、25歳でこれまで結婚はしたことがありません。私は、一人っ子で、兄弟はおりません。両親は健在で、千葉県の片田舎に住んでいます。高校までは実家で過ごしていましたが、大学生からずっと一人暮らしをしております。
 大学をでて、ある国家試験を受けるために浪人生活をしており、現在は塾の講師を週に3日ほどしているのと、両親からの仕送りで生計を立てています。
 これまでに前科はありませんし、警察のやっかいになったこともありません。
 覚せい剤に手を出してしまったのは、1年位前からで、国家試験の勉強時間を確保するためにできるだけ寝ないようにするにはどうしたらいいかということを考えていたところ、友人からいい薬があるよと言われて、手を出してしまったのが覚せい剤でした。最初は1ヶ月に一遍くらいだったのですが、最近は1週間にいっぺんくらいになってしまいました。当初は、あぶりでしようしていたのですが、つかまったころは、注射使用もしていました。
 今後はやはり国家試験を受けて、資格を得たいので、是非よろしく弁護していただくようお願いいたします。」

小問2 ほかにAに聴取したい事項があるか、あるとすればなにを聴取するか。
小問3 弁護人としてはどのような弁護活動を法廷で行うことになるか。法廷で請求すべき書証・人証、それぞれの立証趣旨を検討せよ。
 
 弁護人の弁護活動もあり、判決主文は以下のようになった(判決日2002(平成14)年12月6日)。
「被告人を懲役1年6月に処する。
この裁判確定の日から3年間刑の執行を猶予する。
訴訟費用は被告人の負担とする。」

 上記判決は、双方の控訴なく、控訴期間の満了日に確定した。
 2005(平成17)年9月15日になって、Aの両親から連絡があり、Aが再び覚せい剤使用罪で起訴されたので、私選弁護人としてついてほしいという依頼があった。
 あなたはこの依頼を受け、Aの弁護人となった。
 Aの起訴状の内容は、以下のとおりである(公訴提起日平成17年8月31日)。
「被告人は法定の除外事由がないのに、平成17年7月26日ころ、千葉市(以下略)の被告人方において、覚せい剤であるフェニルメチルアミノプロパン塩類を含有するもの若干量を自己の身体に注射して施用し、もって覚せい剤を使用したものである。」
覚せい剤取締法 第41条の3、第19条

小問4 Aが起訴された事実についてはすべて認めると述べた。Aから本件の判決の見込みについて聞かれた場合、どのように答えるか。また、あなたが弁護人ならどのような弁護活動をするか。

小問5 仮に一審の判決(判決日平成17年10月30日)で以下の判決がAに言い渡された場合、あなたが弁護人ならどのようにAに説明するか。
「被告人を懲役1年2月に処する。
未決勾留日数中30日をその刑に算入する。」
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by lodaichi | 2005-04-06 13:05 | 千葉大ロースクール(2年次)

10月23日講義用課題

刑事実務基礎  2006年10月23日 10:30~12:00、14:30~16:00

(課題)
 講義当日は、勾留されている被疑者に当番弁護士として接見するという設定の元にロールプレイング形式で行うので、接見に関する諸問題について検討の上(基本書を読み、判例百選中の関係判例を読むこと)、臨むこと。
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by lodaichi | 2005-04-05 10:36 | 千葉大ロースクール(2年次)