3年目くらいまでの弁護士向け実務刑事弁護の覚書


by lodaichi

カテゴリ:弁護士懲戒事例(刑事関係)( 7 )

懲戒事例(刑事)

懲戒情報(刑事関係)

自由と正義2008年8月号

 懲戒された弁護士は、起訴後に国選弁護人に選任されたようだが、接見もし、記録も閲覧したが、「事件の内容の把握を十分把握しておらず、また、検察官が取り調べ請求した証拠について同意するかどうかの弁護方針の検討もその点についての懲戒請求者の意思確認もしないままに第1回公判期日に臨んだ」。
 そして、第1回公判期日で、公訴事実を被告人が否認したのに、証拠は全部同意してしまった。
 というもの。
→戒告


検察官請求証拠の全部同意というのは、過去にもあります(→過去記事

そういう点からすれば、同じようなケースなのですが、、「事件の内容の把握を十分把握しておらず」とまでいわれたケースは、あまりないのではないでしょうか。

いずれにせよ、証拠の同意・不同意は問題になりやすいですから、「基本的には不同意で、被告人本人の承諾がある限りにおいて同意する」という精神を弁護人は徹底する必要があります。
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by lodaichi | 2008-08-29 18:12 | 弁護士懲戒事例(刑事関係)

懲戒情報(刑事)

大阪弁護士会:ベテラン国選を懲戒 否認事件で「手抜き」(毎日新聞)


 報道によれば、刑事事件の弁護人は

 被告人が起訴事実を否認したのに、検察側が裁判所に取り調べるよう請求した証拠すべてに同意した。

ことが懲戒事由(戒告)となったようです。

 大阪弁護士会は、
 弁護人のこうした行為について「弁護方針の検討や、被告の意見を確認しないまま初公判に臨んだと言わざるを得ない」と手抜き弁護を指摘。さらに検察側の請求証拠にすべて同意した点を「被告の防御権が損なわれた可能性は否定できず、誠実な弁護活動を行わなかった」と判断

とのことです。
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by lodaichi | 2008-05-20 14:52 | 弁護士懲戒事例(刑事関係)

懲戒情報(刑事関係)

懲戒情報(刑事関係)

自由と正義2008年5月号
2件あり

1件は、既に報道されたもの→過去記事
もう1件
 業務上過失致死事件の弁護人が示談交渉の目的で遺族を訪れ、被害者に100%過失があるかのように発言し、被害感情を傷つけた
→戒告
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by lodaichi | 2008-05-19 21:02 | 弁護士懲戒事例(刑事関係)
国選弁護人処分、大阪弁護士会判断を日弁連が覆す

 同記事によると、事実関係は以下のとおり

 戒告の議決書によると、弁護士は覚せい剤取締法違反の罪に問われた男性の控訴審で国選弁護を担当。2003年12月、大阪拘置所での接見時、「スポーツ新聞や食べ物などを差し入れてほしい」と頼まれ、後日30万円を受け取った。20万円を購入資金、10万円を手数料とすることで合意し、弁護士は04年6月までに、追加の5万円を含む25万円分の差し入れを手配した。

 問題は、この手数料10万円が、「国選弁護事件では、被告人らから、名目のいかんを問わず、報酬その他の対価を受領してはならない」としている職務基本規程に反するか否か。

 大阪弁護士会は、弁護士を当初戒告しなかったが、日弁連での異議審で戒告が不相当とされたというもの。

 国選弁護でどこまで被告人の差し入れ要求などを受け入れるかという問題であり、注目に値する。
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by lodaichi | 2008-03-03 12:34 | 弁護士懲戒事例(刑事関係)
刑事事件の懲戒情報
 自由と正義2008年1月号に1件、掲載されていました。

 刑事事件の詳細は不明ですが、1回結審、第2回公判期日で判決言い渡し予定であったとのことなので、おそらく自白事件。

 弁護人は、被告人に3回接見したというところまでは、まったく問題ないのですが、
1 被告人とその後も接見の約束をしていたのに、すっぽかした
2 被告人から繰り返し接見希望や質問がなされたのに無視した
3 判決言い渡し期日に欠席
4 その欠席に対して被告人に連絡、陳謝せず
5 被告人から情状証人をたてることを依頼されたのに、結局連絡を怠ったので情状立証の機会を失わせた
というような事実が認定されています。

 懲戒としては、
  業務停止2ヶ月
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by lodaichi | 2008-02-14 19:43 | 弁護士懲戒事例(刑事関係)
1 接見禁止決定の趣旨にもとる行為を行ったとして戒告にされたケース
 第三者から被疑者が覚せい剤の営利目的譲渡事案で勾留されているが、接見禁止中で状況がわからないので、捜査上誰の名前が出ているかも含めて状況を聞いてきてほしいと依頼を受け、5万円を受け取り、事情を聴取して、被疑者からの話を第三者に伝えた(被疑者の了解は得ていた)。
 この行為が、接見禁止の趣旨にもとり、事件関与者の罪障隠滅を誘発するおそれが高いとして戒告とされた。
2 被告人から、違法収集証拠排除で徹底的に争う意思を聞いていながら、これを争わず、証拠をすべて同意したとして戒告にされたケース
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by lodaichi | 2005-10-18 08:02 | 弁護士懲戒事例(刑事関係)

弁護人の懲戒事例など

「自由と正義」による弁護士懲戒公告から

<保釈>
・国選弁護人が保釈申請をする際に被告人の親族から合計13万円の報酬を受領した→戒告(自由と正義2005年7月号)
<告訴>
・ 強姦事件の刑事弁護の依頼を受けた弁護士が、同事件の被害者を虚偽告訴罪で告訴する際に不適当な表現を使用した→戒告(自由と正義2005年3月号)
<証人との接触の方法>
・強姦(否認)事件の刑事弁護の依頼を受けた弁護士が、弁護側証人予定者に対して、事件記録を渡したこと、被告人が作成した手紙などを交付したことが正当な弁護活動の範囲を逸脱し、弁護士の品位を害することとされた→戒告(自由と正義2005年6月号)
<示談>
・出資法違反事件の刑事弁護の依頼を受けた弁護士が、被害者と示談するに際し、ありのままの記載をしなかった(この点について示談する当事者間には合意があった)ことが、品位を失うべき非行に該当するとされた→戒告(自由と正義2005年6月号)
<検察官請求証拠の同意について>
・銃刀法違反事件の刑事弁護の依頼を受けた弁護士が、同意すべきでない証拠を同意したことが訴訟活動としてきわめて不適切であったとされた→戒告(自由と正義2005年6月号)


裁判例から<記者会見>
・ ある民事事件の訴訟代理人を務めた弁護士が訴え提起時に記者会見をしたところ、その記者会見自体が名誉毀損の不法行為を構成するとされた事案。なお、上記民事事件は訴え提起自体が不法行為を構成するとされている(東京地判平成17年3月14日判例タイムズ1179号149頁)。
 民事事件のケースであるが、刑事事件における記者会見についても当てはまる問題であり、記者会見においても慎重な姿勢が求められるところである。
 
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by lodaichi | 2005-08-20 16:26 | 弁護士懲戒事例(刑事関係)