3年目くらいまでの弁護士向け実務刑事弁護の覚書


by lodaichi

カテゴリ:医療観察法( 7 )

医療観察法の参考文献

2008年4月のものであるが、医療観察法施行後2年を振り返るものとして(執筆者は裁判官)以下のものがある。

判例タイムズ 1261号19頁
 医療観察法施行後2年の処遇事件の処理状況について

判例タイムズ 1261号25頁
 医療観察法施行後2年の現状と課題について
[PR]
by lodaichi | 2009-10-21 17:52 | 医療観察法
触法精神障害者施設で覚書 肥前精神医療センターと町

  医療観察法の入院施設である、国立機構「肥前精神医療センター」(佐賀県)についての記事。
 同センターのベッド数は33床であるが、覚書ではこれ以上増床しないとされている点に注目。

 国立施設ですら、ベッド数の増床が見込めないならば、民間施設はもっと難しかろう。
[PR]
by lodaichi | 2008-09-01 14:08 | 医療観察法

医療観察法における抗告

医療観察法における抗告について注意点

 抗告事由に関する条文は以下のとおり

医療観察法64条2項
 対象者、保護者又は付添人は、決定に影響を及ぼす法令の違反、重大な事実の誤認又は処分の著しい不当を理由とする場合に限り、第四十二条第一項、第五十一条第一項若しくは第二項、第五十六条第一項若しくは第二項又は第六十一条第一項若しくは第三項の決定に対し、二週間以内に、抗告をすることができる。ただし、付添人は、選任者である保護者の明示した意思に反して、抗告をすることができない。

つまり、
1 決定に影響を及ぼす法令の違反
2 重大な事実の誤認
3 処分の著しい不当を理由とする場合
に限られるということだ。

 次に、抗告は執行停止の効力はないのが原則(69条)。
 69条はこう規定している。

抗告は、執行を停止する効力を有しない。ただし、原裁判所又は抗告裁判所は、決定をもって、執行を停止することができる。

 実務の運用をみていると、入院決定が出た時点で、即刻対象者は入院先に入院しているようだ。
 入院先は全国に広がっているので、決定が出た時点では、対象者と面会することは困難ということが多いというべきだろう。

 抗告裁判所の調査の範囲については、66条。
 「抗告裁判所は、抗告の趣意に含まれている事項に限り、調査をするものとする。」
となっているから、「抗告の趣意」というのがとても大事だ。

 この「抗告の趣意」については規則にも規定がある。

 抗告申立書には抗告の趣意を簡潔に明示しなければならない(規89条)。

 これは、少年事件の規定とほぼ同じで、少年事件で、刑事事件の控訴状のように「全部不服であるから」という抽象的なものは不適法となるという判例が確立しているから、医療観察法でも同じに考えられるだろう。

 つまり、抗告の趣意は簡潔であれば足りるが、主張すべき点は全て明示すべきである。
[PR]
by lodaichi | 2008-02-12 18:27 | 医療観察法
 医療観察法関係で入院施設の要件を大幅緩和していたことが判明というニュース
 今は、岩手と東京にしか入院施設がなく、いっぱいいっぱいだからでしょう。

入院施設の要件を大幅緩和 触法精神障害者の治療機関 [ 01月21日 16時44分 ]
共同通信

 殺人、放火など重大な罪を犯した「触法精神障害者」を専門に治療する入院病棟をめぐり、厚生労働省が全都道府県に対し、「15床(ベッド)以上」という設置要件を大幅に緩和、1床でも認めるよう方針転換していたことが21日、分かった。
 厚労省は当初、2005年度から全国で720床を設置する予定だったが、地元住民の反対などで難色を示す自治体が続出している事態に対応した措置。
 これまでに「30床で新築の病棟」という設置条件を「15床で既存施設の改修も認める」と緩和したが、病床数が思うように増えず、昨年10月に1床でも認めると通知した。

[PR]
by lodaichi | 2006-01-21 17:18 | 医療観察法
厚生労働省の鑑定ガイドライン案はこちら

これに対する、日弁連の「心神喪失者等医療観察法鑑定ガイドライン」策定に対する意見書は、こちら
[PR]
by lodaichi | 2005-10-12 19:04 | 医療観察法
千葉県弁護士会の医療観察法関係の諸規則を掲載した。
掲載したものは、
 心神喪失者等医療観察法当番弁護士運営規則
 心神喪失者等医療観察法当番弁護士制度運営基準
 心神喪失者等医療観察法上の付添人推薦に関する規則
である。

心神喪失者等医療観察法当番弁護士運営規則

第1条(目的) 千葉県弁護士会は、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(以下「心神喪失者等医療観察法」という。)における鑑定入院命令を受けた対象者(以下「対象者」という。)への面会又は付添人紹介の申込みに速やかに応ずるため、当番制により弁護士の派遣を行う制度(以下この制度を「心神喪失者等医療観察法当番弁護士制度」といい、派遣される弁護士を「心神喪失者等医療観察法当番弁護士」という。)を設ける。
第2条(実施担当機関) 心神喪失者等医療観察法当番弁護士制度の実施は、千葉県弁護士会刑事弁護センター(以下「刑弁センター」という。)が担当する。
第3条(心神喪失者等医療観察法当番弁護士登録名簿) 刑弁センターは、会員の申出に基づいて心神喪失者等医療観察法当番弁護士登録名簿を作成し、弁護士会に備え置く。
第4条(心神喪失者等医療観察法当番弁護士の派遣) 刑弁センターは、前条の名簿に基づき、心神喪失者等医療観察法当番弁護士を派遣する。
第5条(申込みの受付・受理) 面会又は弁護人紹介の申込みの受付は、弁護士会を通して行うこととし、電話・電報による申込も受け付ける。
2 弁護士会の執務時間外は留守番電話により受け付ける。
3 申込を受理した場合には、直ちに心神喪失者等医療観察法当番弁護士に通知する。

第6条(心神喪失者等医療観察法当番弁護士の任務) 通知をうけた心神喪失者等医療観察法当番弁護士は、原則として受理日を含めて3日以内に、対象者と面会し助言を与えるなど、適切な対応を取る。
第7条(面会手数料) 鑑定入院命令を受けた対象者の面会については、面会手数料を徴収せず、対象者は、原則として1回に限り無償で心神喪失者等医療観察法当番弁護士の接見を受けることができる。
第8条(事件の受任) 心神喪失者等医療観察法当番弁護士は、対象者が希望するときは、その資力に応じて国選又は私選付添人として事件を受任する。ただし特段の事情があるときはこの限りでない。
2 前項但書の場合には刑弁センターは、受任弁護士を選任するか否かを決定し、選任を決定したときは登録弁護士の中から事件を受任する弁護士を紹介する。
3 刑弁センターが事件を受任しない旨決定したときは、対象者に対し、直ちに文書で通知する。
第9条(面会手当) 心神喪失者等医療観察法当番弁護士が、鑑定入院命令を受けた対象者と面会したが、事件を受任しなかった場合(第8条但書の場合)には、刑弁センターが当該弁護士に接見手当を支給する。
第10条(他機関との協議) 刑弁センターは、本制度の効果的な運用を図るため、裁判所等と緊密な協議を行い、その協力を求めるものとする。
第11条(当番弁護士制度運営基準) 本制度の運営は、別に定める当番弁護士制度運営基準による。
第12条(当番弁護士制度の除外措置) 刑弁センターは対象者又はその親族等からの申出にかかる事件が、本規則による手続で当番弁護士を推薦することが不相当又は困難と認めた時は、本制度を利用させないことが出来る。

心神喪失者等医療観察法当番弁護士制度運営基準

第1条(心神喪失者等医療観察法当番弁護士制度等運営委員会及び事務局) 千葉県弁護士会刑事弁護センター(以下「刑弁センター」という。)に若干名の心神喪失者等医療観察法当番弁護士運営委員を置き、事務職員とともに心神喪失者等医療観察法当番弁護士制度事務局を構成する。
2 事務局は、以下のことを行う。
 一 心神喪失者等医療観察法当番弁護士登録名簿の作成
 二 面会または弁護士紹介の申込みの受付・受理と、心神喪失者等医療観察法当番弁護士への通知
 三 心神喪失者等医療観察法当番弁護士からの報告の受理
 四 面会手当の支給
 五 その他の心神喪失者等医療観察法当番弁護士制度の運営に関する事務
第2条(心神喪失者等医療観察法当番弁護士登録名簿)
 心神喪失者等医療観察法当番弁護士登録名簿は予め作成する。
第3条(受付) 鑑定入院命令を受けた対象者(以下「対象者」という。)またはその親族等からの申込は、別に定める面会申込書または付添人紹介申込書による。ただし、電話・電報による申込の場合は、担当者の作成する電話電報受理報告書の作成によって申込書に代えるものとする。
第4条(除外措置) 刑弁センターは、対象者またはその親族等からの申込が心神喪失者等医療観察法当番弁護士運営規則第12条により本制度を利用できないものに該当するときは、直ちにその旨を申込者に通知する。
第5条(受付受理) 弁護士会の執務時間の間に受付けたものについては、当日申込を受理したものとして扱う。
2 弁護士会の執務時間外の時間に留守番電話で受付けたものは直近の弁護士会の執務を行う日の午前9時に受理されたものとして扱う。
第6条(管轄) 心神喪失者等医療観察法当番弁護士制度は、千葉県内において鑑定入院命令を受けた対象者の事件について行う。
第7条(心神喪失者等医療観察法当番弁護士の任務) 心神喪失者等医療観察法当番弁護士は、対象者と面会して付添人依頼権その他対象者の権利及び心神喪失者等医療観察法当番弁護士制度について説明し、かつ必要な助言を行う。
第8条(面会報告書) 鑑定入院命令を受けた対象者と面会した心神喪失者等医療観察法当番弁護士は面会報告書を刑弁センターに提出する。
第9条(面会手当) 刑弁センターは、鑑定入院命令を受けた対象者と面会した弁護士に対して、面会手当として金1万円(消費税込み)を支給する。接見場所が当該弁護士の事務所から60㎞以上の場合、接見手当は金1万5000円(消費税込み)とする。
第10条(受任報告書・終了報告書) 事件を受任した弁護士は、別に定める受任報告書を刑弁センターに提出する。
2 受任弁護士は、事件が終了したときは、終了報告書を刑弁センターに提出する。

心神喪失者等医療観察法上の付添人推薦に関する規則
第1章 目的
第1条(目的)
 本規則は、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(以下「心神喪失者等医療観察法」という。)上の私選付添人及び国選付添人(特別案件によるものを含む)(以下単に「私選付添人」「国選付添人」という。)の推薦を適正かつ円滑に行うことを目的とする。
第2章 私選付添人の推薦
第2条(私選付添人名簿)
 千葉県弁護士会刑事弁護センター(以下「刑弁センター」という。)は、会員の申出に基づいて、私選付添人名簿を作成し、弁護士会に備え置く。
第3条(推薦手続)
 対象者、保護者及び対象者又は保護者の親族らから、私選付添人の申込又は心神喪失者等医療観察法上の相談申込がなされた場合は、刑弁センターは、以下の場合を除き、同名簿に登載された会員に対し、速やかに私選付添人の申込又は相談申込を希望している者がいることを知らせ、私選付添人又は相談者として推薦されることを希望する者を募集する。
 一 推薦申込者の資力に疑問があり、弁護士報酬の支払いが受けられないおそれがある場合
 二 前任の付添人が辞任している等、私選付添人と対象者又は保護者との間の信頼関係の形成が困難と思われる場合
 三 対象者又は保護者が身体を拘束され、又はそのおそれが切迫していて、緊急に付添人を推薦する必要がある場合
第4条(同前)
 前条各号の場合、「私選弁護人推薦依頼に対する処理要綱」を準用する。この場合、同要綱の「私選弁護人」を「私選付添人」に、「被疑者又は被告人」を「対象者」にそれぞれ読み替える。
第5条(報告義務)
 第3条又は前条により、私選付添人として受任した会員は、刑弁センターに対し、受任及び終了報告書を提出する。
 2 第3条により相談を行った会員が、私選付添人として直ちに受任しない場合は、刑弁センターに対し、その旨及びその理由を報告する。
第6条(心神喪失者等医療観察法心神喪失者等医療観察法当番弁護士制度との関係)
 心神喪失者等医療観察法心神喪失者等医療観察法当番弁護士から付添人を受任する場合は、心神喪失者等医療観察法心神喪失者等医療観察法当番弁護士運営規則による。
第3章 国選付添人の推薦
第7条(国選付添人の推薦) 刑弁センターは、裁判所から国選付添人の選任について連絡を受けたときは、速やかに、国選付添人受任者名簿の登録の順に従い、国選付添人となる者を推薦しなければならない。ただし、刑弁センターが相当と認めるときは、推薦順序を変更することができる。
第8条(特別案件) 特別案件に関する国選付添人の推薦は、第4章による。
第9条(会員の報告義務) 次の場合は、当該会員は、遅滞なくその旨を刑弁センターに届け出なければならない。
 一 裁判所から直接国選付添人に選任された場合
 二 裁判所から国選付添人を解任されたとき
第10条(国選付添人の報告義務) 公的弁護人に選任された会員は、担当事件終了後速やかに、事件名、面会の回数、記録の閲覧・謄写の状況、審判日、審判の結果、その他刑弁センターの定める事項を刑弁センターに報告しなければならない。
第11条(金品の要求及び受領の禁止)国選付添人に選任された会員は、対象者、保護者及び対象者又は保護者の関係者に対し、報酬の目的で名目の如何を問わず金品を要求し、又はこれを受領してはならない。
第12条(私選付添人選任要求の禁止) 国選付添人に選任された会員は、対象者、保護者及び対象者又は保護者の関係者に対し、自己を私選弁護人に選任することを要求又は慫慂してはならない。
 2 国選付添人に選任された事件の対象者、保護者及び対象者又は保護者の関係者から要請を受けて私選付添人になろうとするときは、あらかじめ理由を付した書面を提出して刑弁センターの承認を受けなければならない。
第13条(守秘義務) 国選付添人は、職務上知り得た対象者、保護者及び事件関係者の秘密を漏らしてはならない。
第14条(裁判所等に対する紹介等) 刑弁センターは、国選付添人事務の運営に関し必要があると認めたときは、裁判所その他の官公署に照会し、国選付添人に報告を求め、又は対象者、保護者、その他の関係者から意見を徴することができる。
第15条(国選付添人の義務) 国選付添人に選任された会員は、対象者の人権と利益擁護のために、面会、記録の検討、対象者の権利についての説明、必要な情報の提供等適切な弁護活動を行うものとする。
第16条(助言、勧告) 本会は、国選付添人に選任された会員が、この規則に違反したときは、当該付添人に対し、助言又は勧告の措置をとることができる。
第17条(推薦停止) 本会は、会員に次の各号に掲げる事由があるときは、2年以内の期間を定めて当該会員を国選付添人として推薦しないことができる。
 一 前条により本会から助言又は勧告を受けたにもかかわらず改善が認められないとき
 二 弁護士としての品位を害し、信用を失わせる行為をしたため懲戒処分を受けたとき 三 第10条(国選付添人の報告義務)、第11条(金品の要求及び受領の禁止)、第12条(私選弁護人選任要求の禁止)第1項又は第13条(守秘義務)に違反したとき
 四 国選付添人として行うべき、接見、記録の検討その他第15条に定める適切な弁護活動を怠り、又は怠るおそれがあると認めたとき
 五 高齢、病気その他の事由により、心身の状態が国選付添人の職務遂行に支障を生ずると認められるとき
2 本条により処分を受けた会員は、不服申立をすることができる。
3 推薦停止及び不服申立の手続については、「国費による弁護人の推薦停止手続に関する規則」を準用する。この場合、同規則の「国費による弁護人の推薦等公的弁護運営規則(公的弁護運営規則)第14条」を、「心神喪失者等医療観察法上の付添人推薦に関する規則第17条」に読み替える。 

第4章 特別案件
第18条 第3章による手続で国選付添人を推薦することが不相当又は困難なときは、「特別案件についての国選弁護人推薦に関する規則」を準用する。この場合、同規則の「弁護人」を「付添人」に読み替える。
[PR]
by lodaichi | 2005-08-17 20:03 | 医療観察法
1 この法律は、いわゆる池田小事件を契機として2003年7月16日に成立した。本格的な施行は2005年7月16日までの間に政令で定めることになっているが、本稿執筆時点(4月10日)で未だその政令が制定されていない。制定される際には、各地の弁護士会が大反対したが、今ではそれも忘れられてしまったのか、この法律の内容自体を多くの弁護士が知らないようである。本稿は、本法を全くあるいはほとんど知らない方を対象に、ごく大雑把に、本法を描くにとどまる。詳細かつ正確な知識を修得されたい方は、本稿を読むことなく、「精神医療と心神喪失者等医療観察法」(ジュリスト2004年3月増刊:町野朔編)を参照されることをお勧めする。
2 本法は、心神喪失等の状態で重大な犯罪を行った者に医療を受けさせるのか、受けさせるとしてどのような医療なのか(入院か通院か)ということについての要件や手続を定めたものだ。
 手続構造は少年法に似たところがある(職権主義構造である)から、以下必要に応じて、少年法とのアナロジーで説明する。
 審判を受ける者は、少年法では「少年」だが、本法では「対象者」という。 対象者は、殺人・放火・強盗・強姦・強制わいせつ及び傷害に当たる行為をした者である。傷害については、全ての傷害が入るわけではないから(33条23項)、自ずと重大なものに限定されるであろう。
 対象者は、心神喪失か心身耗弱と検察官か判決から認定されたもので、その処分が確定していることが必要である。最も多いのは、検察官が不起訴処分をした場合ということになろう。
3 事件は検察官の裁判所による申立てにより始まる(33条12項)。少年事件が送致で始まるのと似ている。
 次に、少年事件では観護措置がとられることが多いが、これにあたるのが鑑定入院命令(34条)である。鑑定入院命令による入院の期間は原則2ヶ月、場合により1ヶ月の更新ができることになっているから、どんなに長くても3ヶ月以内に事件は終了してしまう。
4 少年事件には付添人がいるが、本法でも対象者には付添人がつく。入院又は通院の審判には、付添人は必要的であり(35条12項)、付添人は、弁護士に限られる(30条12項)。
 付添人は事件記録を閲覧し、事件関係者に聴取するなどして、まず対象行為
を争うか否か検討する必要がある。対象行為がなければ、いくら対象者が心神喪失等の状態であっても医療に付する審判はできないからである。これは、少年事件においても非行事実がなければ処分できないことと同様である。
5 次に、対象者にふさわしい医療は入院なのか通院なのか、それとも医療に付さなくてもよいのかを付添人は検討しなければならない。少年法とのアナロジーで言えば、非行事実が認められるとして、少年院なのか保護観察なのかの検討をするのと同様である(もっとも、少年事件のような試験観察という制度はないが)。
 この検討の際には、「保護者」の協力が必要である。少年事件における「保護者」のような役割を本法の「保護者」も有する。本法の「保護者」は精神保健福祉法上の保護者と同一であり、
後見人(いなければ)→配偶者(いなければ)→親権者(いなければ)→家 裁の選任者
となっており、対象者の家族がなっている場合がほとんどである。
6 これらについて必要な調査をした上で、随時報告書及び意見書を裁判所に提出する必要がある。
 少年事件と同じで職権主義構造を有しており、伝聞法則の適用はないからである。
7 対象行為の有無は要するに事実認定の問題であるから、これまで多くの弁護士が培ってきた能力により対処は可能であろう(もっとも、対象者の知覚記憶・表現・叙述の程度によっては対象者からの供述のみに依存することは危険であろうが)。
 対象者が心神喪失は心身耗弱なのかという点及び対象者にいかなる医療が適しているかについては、精神医療上の知識が必要であり、この点において、今後、本法の付添人となる弁護士は研鑽が必要とされよう。
[PR]
by lodaichi | 2005-07-16 10:35 | 医療観察法