3年目くらいまでの弁護士向け実務刑事弁護の覚書


by lodaichi

カテゴリ:接見・面会( 3 )

(解説)
 本件の最高裁判決は
1 弁護人等と被疑者との立会人なしの接見を認めても,被疑者の逃亡や罪証の隠滅を防止することができ,戒護上の支障が生じないような設備のある部屋等が存在しない場合には,上記の申出を拒否したとしても,これを違法ということはできない
2 上記を理由として立会人無しの接見を拒否したとしても、「面会接見」を認める義務が生じる場合がある
ことを判示した。
 1で判示されている「設備のある部屋等」とは、「接見室等の接見のための専用の設備がある部屋に限られるものではないが,その本来の用途,設備内容等からみて,接見の申出を受けた検察官が,その部屋等を接見のためにも用い得ることを容易に想到することができ,また,その部屋等を接見のために用いても,被疑者の逃亡,罪証の隠滅及び戒護上の支障の発生の防止の観点からの問題が生じないことを容易に判断し得るような部屋等でなければならないものというべきである」としており、事案のあてはめにおいても同行室は設備のある部屋等にはあたらないとしているから、かなり狭く解されている。
 被疑者国選が実施されれば、これまで以上に弁護人の接見が増えるであろうから、設備がないことを理由とする立会人無しの接見を拒否する事案も今以上に増える可能性がある。
 そうすると、今後は
  1) 接見室の拡充
と共に、
  2) 2で述べられている「面会接見」
が重要となってこよう。

最判平成17年4月19日 重要部分のみ(判例タイムズ1180号p163)

(1) 被疑者が,検察官による取調べのため,その勾留場所から検察庁に押送され,その庁舎内に滞在している間に弁護人等から接見の申出があった場合には,検察官が現に被疑者を取調べ中である場合や,間近い時に上記取調べ等をする確実な予定があって,弁護人等の申出に沿った接見を認めたのでは,上記取調べ等が予定どおり開始できなくなるおそれがある場合など,捜査に顕著な支障が生ずる場合には,検察官が上記の申出に直ちに応じなかったとしても,これを違法ということはできない(最高裁平成5年(オ)第1189号同11年3月24日大法廷判決・民集53巻3号514頁参照)。
 しかしながら,検察庁の庁舎内に被疑者が滞在している場合であっても,弁護人等から接見の申出があった時点で,検察官による取調べが開始されるまでに相当の時間があるとき,又は当日の取調べが既に終了しており,勾留場所等へ押送されるまでに相当の時間があるときなど,これに応じても捜査に顕著な支障が生ずるおそれがない場合には,本来,検察官は,上記の申出に応ずべきものである。もっとも,被疑者と弁護人等との接見には,被疑者の逃亡,罪証の隠滅及び戒護上の支障の発生の防止の観点からの制約があるから,検察庁の庁舎内において,弁護人等と被疑者との立会人なしの接見を認めても,被疑者の逃亡や罪証の隠滅を防止することができ,戒護上の支障が生じないような設備のある部屋等が存在しない場合には,上記の申出を拒否したとしても,これを違法ということはできない。そして,上記の設備のある部屋等とは,接見室等の接見のための専用の設備がある部屋に限られるものではないが,その本来の用途,設備内容等からみて,接見の申出を受けた検察官が,その部屋等を接見のためにも用い得ることを容易に想到することができ,また,その部屋等を接見のために用いても,被疑者の逃亡,罪証の隠滅及び戒護上の支障の発生の防止の観点からの問題が生じないことを容易に判断し得るような部屋等でなければならないものというべきである。
 上記の見地に立って,本件をみるに,前記の事実関係によれば,広島地検の庁舎内には接見のための設備を備えた部屋は無いこと,及び庁舎内の同行室は,本来,警察署の留置場から取調べのために広島地検に押送されてくる被疑者を留置するために設けられた施設であって,その場所で弁護人等と被疑者との接見が行われることが予定されている施設ではなく,その設備面からみても,被上告人からの申出を受けたB検事が,その時点で,その部屋等を接見のために用い得ることを容易に想到することができ,また,その部屋等を接見のために用いても,被疑者の逃亡,罪証の隠滅及び戒護上の支障の発生の防止の観点からの問題が生じないことを容易に判断し得るような部屋等であるとはいえないことが明らかである。
 したがって,広島地検の庁舎内には,弁護人等と被疑者との立会人なしの接見を認めても,被疑者の逃亡や罪証の隠滅を防止することができ,戒護上の支障が生じないような設備のある部屋等は存在しないものというべきであるから,B検事がそのことを理由に被上告人からの接見の申出を拒否したとしても,これを直ちに違法ということはできない。
(2) しかしながら,上記のとおり,刑訴法39条所定の接見を認める余地がなく,その拒否が違法でないとしても,同条の趣旨が,接見交通権の行使と被疑者の取調べ等の捜査の必要との合理的な調整を図ろうとするものであること(前記大法廷判決参照)にかんがみると,検察官が上記の設備のある部屋等が存在しないことを理由として接見の申出を拒否したにもかかわらず,弁護人等がなお検察庁の庁舎内における即時の接見を求め,即時に接見をする必要性が認められる場合には,検察官は,例えば立会人の居る部屋での短時間の「接見」などのように,いわゆる秘密交通権が十分に保障されないような態様の短時間の「接見」(以下,便宜「面会接見」という。)であってもよいかどうかという点につき,弁護人等の意向を確かめ,弁護人等がそのような面会接見であっても差し支えないとの意向を示したときは,面会接見ができるように特別の配慮をすべき義務があると解するのが相当である。そうすると,検察官が現に被疑者を取調べ中である場合や,間近い時に取調べをする確実な予定があって弁護人等の申出に沿った接見を認めたのでは取調べが予定どおり開始できなくなるおそれがある場合など,捜査に顕著な支障が生ずる場合は格別,そのような場合ではないのに,検察官が,上記のような即時に接見をする必要性の認められる接見の申出に対し,上記のような特別の配慮をすることを怠り,何らの措置を執らなかったときは,検察官の当該不作為は違法になると解すべきである。
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by lodaichi | 2005-08-20 16:09 | 接見・面会

一般面会についての掲示

千葉県警I警察に掲示してある面会心得(要旨)
 (筆者注:一般面会に適用されるもので、弁護士面会には適用はありません)

1 平日のみ可(但し、水曜は入浴日のため不可)
2 受付時間は 9時30分~11時、午後1時から午後4時
 面会時間はおおむね15分
3 面会は、同一被疑者又は被告人に対し午前1回、午後1回
4 面会で一度に面会室にはいることが出来るのは3人まで
5 会話は原則として日本語に限る
6 携帯は電源を切ること
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by lodaichi | 2005-08-19 08:15 | 接見・面会
(解説)
 官公庁の土曜閉庁が実現されるまでは、土曜の午前は、弁護人は被疑者・被告人に当然接見できたのであるが、法務省の完全土曜閉庁制が実施されるとこれまで可能であった土曜の接見ができなくなるおそれが生じた。そこで、法務省から日弁連に示されたものが、「弁護人接見について(骨子)」及び「弁護人接見について(骨子)の解釈及び運用細目について(確認事項)」である。これらは、1992年に当初示されたものであるが、その後2000年4月21日に以下のとおり改定され、6月1日から実施されることとなった。 

弁護人接見について(骨子) 平成12年4月21日法務省矯正局

 休日における逮捕・勾留中の被疑者・被告人と弁護人等との接見については、弁護人等から電話連絡等により接見したい旨の事前の申出がなされた場合、以下のとおり、これを実施する。

1 被疑者が入所した後に弁護人接見が実施されていないとき、すなわち、当該施設における初回接見については、土曜日を含めて休日が連続する場合(例えば、土・日のほか、金~日、土~月のように2日以上休日が連続する場合)には、土曜日に限らず連続する休日のいずれにおいても、平日と同様の時間に、これを実施する。
2 被疑者の第2日目以降の接見については、原則として、土曜日の午前中に限り、これを実施する。
3 被告人の接見については、
(1) 当該土曜日の翌週に公判期日が指定されているとき
(2) 上訴期限又は控訴趣意書等の提出書類の提出期限が翌週に迫っているときには、原則として、土曜日の午前中に限り、これを実施する。
(3) 余罪捜査中の被告人又は受刑者で、被疑者として逮捕又は勾留されている場合の弁護人接見は、2項に準じてこれを実施する。
4 被疑者・被告人のいずれの接見についても、遠隔地からの来訪で必要性が認められるときは、1項と同様これを実施する。
5 少年事件の付添人たる弁護士と少年との鑑別所での面会についても、被疑者接見と同様、これを実施する。


弁護人接見について(骨子)の解釈及び運用細目について(確認事項) 平成12年4月21日法務省矯正局

1 「事前の申出」は、弁護人接見の許否判断の要件ではなく、土曜日等休日における弁護人接見をできるだけ円滑に実施するために行うものである。
2 接見当日に「事前の申出」を行う場合は、当該施設に対し、電話にて行う。
3 被疑者の初回接見の「平日と同様の時間」の運用
 原則として次の通り実施する。
(1) 「事前の申出」が休日前の執務時間内になされた場合には、午前8時30分から午後5時まで(ただし、午後0時から午後1時までは除く。)の間で、弁護人の指定する時間に接見を実施する。
(2) 「事前の申出」が当日に行われた場合にも(1)と同様の時間帯で接見を実施するが、接見を円滑に実施するため、事前連絡の受付時間は、午前8時30分から午後3時30分までとする。
4 被疑者の第2回目以降の接見及び被告人接見の「土曜日の午前中」の運用
 原則として次の通り実施する。
(1)「事前の申出」が休日土曜日前の執務時間内になされた場合には、午前8時30分から午後0時30分までの間で、弁護人の指定する時間に接見を実施する。
(2) 「事前の申出」が当日に行われた場合にも(1)と同様の時間帯で接見を実施するが、接見を円滑に実施するため、事前連絡の受付時間は、午前8時30分から午前11時までとする。
5 被疑者の第2回目以降の接見及び被告人接見についての「原則として」とは、午前中の接見を原則とし、例外的には午後の接見もありうることを意味する。
6 骨子案は、接見の緊急性・必要性が認められる場合を定型化したものであって、骨子案に定める接見の実施要件に該当しない場合においては、一律に接見を認めない趣旨ではない。
 例えば、通訳を要する事案における通訳人が遠隔地から来訪し、休日以外には業務の関係で都合が付かない場合、被告人から、別件の被疑事件につき取調べを受けたので至急面会したい旨の電報・信書が休日又はその直前に届いた場合など、その具体的状況によっては、緊急性・必要性が認められることもある。
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by lodaichi | 2005-08-15 20:53 | 接見・面会