3年目くらいまでの弁護士向け実務刑事弁護の覚書


by lodaichi

勾留状謄本請求と裁判書の謄本請求

前回、勾留状謄本の請求について書いたが、この請求について、「被疑者段階で勾留状謄本を請求することができる」とだけ覚えていると、その根拠規定のユニークさがわからない。

根拠規定の詳細は前回をみていただくとして、今回の話に必要な部分だけ書いておく。
刑事訴訟規則74条
 (勾引状、勾留状の謄本交付の請求)
第七十四条 勾引状又は勾留状の執行を受けた被告人は、その謄本の交付を請求することができる。

この条文だけいくらみても、そのユニークさはわからない。
参照していただきたいのは、刑訴法46条である。

第46条 被告人その他訴訟関係人は、自己の費用で、裁判書又は裁判を記載した調書の謄本又は抄本の交付を請求することができる。

違いが分かるだろうか?
法46条では、「自己の費用で」と規定されているのが、最大の眼目である。

つまり、刑訴法では裁判書などについては一般的に謄本などの交付を請求できることになっているが、それはあくまでも「自己の費用」負担なのだ。

ところが、規則74条には、「その謄本の交付を請求することができる。」としか規定していないから、費用負担はいらないのだ。

勾留状謄本請求をしたことのある人は、その際に手続き費用を一切支払っていないことは、体験しておられるであろう。

これは、以上のような条文の理解によるものである。
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by lodaichi | 2008-12-02 10:00