3年目くらいまでの弁護士向け実務刑事弁護の覚書


by lodaichi

保釈請求はそんなに手間か?

前回、国選弁護人が保釈請求する事について考えてみたが(→過去記事)、別の角度からも考えてみよう。

保釈請求というのは、そんなに手間のかかるものか?という問題だ。

国選アンケートで”1万円という安い費用では、もう2度と保釈請求をやりたくない”という声があることは、前回指摘したが、これには保釈請求は結構手間がかかるのにという前提があるような気がする。

しかし、保釈請求にそんな手間がかかるだろうか。
もちろん、それなりに手間はかかるが、通常の弁護活動の範囲内の事を行うのであって、特別に難しいことをやるわけではないから、そんなに手間はかからないと私は思う。

保釈請求をするには
保釈請求書
の提出は必須であるが、実務では
身柄引受書
の提出も求められる。

身柄引受書は、定型的なものに親族などにサインしてもらうだけだし、保釈請求書もそんなに難しいものを書く必要がないケースも多いだろう。
法律上の原則からいえば、保釈の請求をするということだけ書けばよいのだから、書面ではあっさり書いて、裁判官面接で内容を話したってよいはずだ。

いずれにせよ、負担を軽減する工夫をすべきは弁護人であって、負担が大きいから請求しないというのは、主客が転倒してしまっている。

保釈請求率は
2003年 24.9%(戦後最低)
2006年 29%
2007年 27.7%
2008年 27.7%
と停滞状況にある。

請求をする以前に、弁護人のあきらめが勝って、弁護人が被告を説得するような状況があると思われるが、保釈が被告の権利である事から、常に保釈請求の可能性を検討する弁護が求められる。
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by lodaichi | 2009-08-26 10:32