国選弁護人の保釈請求
2009年 08月 25日
保釈に関してこんな声があがっていた
「報酬が安い-保釈手続きをしたが”1万円”では、もう2度としたくないと思った」
国選弁護人が保釈請求の手続きをすることの報酬が1万円しかつかないので
①1万円という費用は安すぎるし
②1万円という費用がかわらなければ、保釈請求はやりたくない
ということであろうと思われる。
①については、国選弁護報酬の問題であるから、今後検討されてよいと考えるが②の考え方には同意できないし、このような考え方はすべきではない。
②の考え方からは、こんな考えがベースにあるのではないか
”そもそも保釈にはお金がかかるんだから、国選で保釈請求をするなんてありえない=保釈請求するなら私選を頼むべきだろう”
だが、このような考え方は正しくない
国選は、資力要件を満たせば選任されるわけだ。
被疑者本人にお金がなくても、被疑者の親族などと今後の更生について弁護人が話していくうちに、親族側が保釈金であれば出してあげるということは、十分ありうることだし、私も法テラス設立以前のケースであるが、何件か経験している。
親族側からみれば
弁護士費用
というのは返ってこないが
保釈金
は返ってくるものである
という受け止め方がなされるはずである。
私選弁護の費用は、どんなに少なくとも20~30万はかかるであろうから、これだけの金を支払うということはかなり抵抗感のあることだろうと思う。
保釈金は被疑者本人が逃亡しなければ返ってくるものであるから、親族側からすれば、本人を信頼して保釈金を立て替えてもいいかという考えは通常ではないか。
そうだとすれば
”保釈請求をするなら私選を選任するべきだ=国選で保釈請求なんてありえない”
という発想にはならないはずである。