3年目くらいまでの弁護士向け実務刑事弁護の覚書


by lodaichi

示談がとれないことに悩むべきか

 刑事弁護人として、被害者との示談にどう関与するかということは、新人弁護士のときに悩む問題のひとつであろう。

 被害者もひとそれぞれであり、マニュアルというものはなく、被害者に対して、誠実に説明を尽くし、弁護人としてできるところを提示するほかはない。

 弁護人があまりがんばらなくても、周囲の状況から意外にも簡単に示談が成立するケースもある。

 反対に、弁護人がいくらがんばっても、示談ができない事件というのは、少なからず存在する。そのような事件に当たった場合に、示談ができないからといって悩むことはない。

それは、事件の筋というか、被害者の感情というかそういう面の問題であり、弁護人の問題ではないからである。

 もっとも、指導する立場の私から見て、これはなかなか示談が難しそうではないかなと思っていても、示談がとれるケースもある。

 それは、弁護人がここまで行くかというくらいに、被害者(ないしその家族)のところに通って、被害者もそれに答えて弁護士の話に付き合ってくれて、だんだん弁護士と人間関係ができて、この弁護士となら示談してもいいかなと思えるようになってきたというようなケースである。

 これができるには、弁護人は10回以上足を運ぶこともあろうが、すべての事件でこれをやっていたらパンクしてしまうだろう。

 新人弁護士のころは、トライアル&エラーを繰り返しながら、自分の示談へのスタイルというものを確立していくことが必要である。
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by lodaichi | 2009-08-07 12:04