3年目くらいまでの弁護士向け実務刑事弁護の覚書


by lodaichi

略式罰金の手続(在庁略式)

 被疑者国選の対象が今年の5月21日から拡大したため、弁護士として略式罰金で終わる手続にも関与する機会が格段に増えたといえる。

 略式罰金で終わる事件は、正式裁判がされない、つまり公判が開かれないで終わるので、正式裁判段階でしか付されない被告人国選は関与のしようがなかったのである。

 さて、勾留されている事件で、略式手続で利用されているのは、在庁略式方式というものである。

 これは、こんなものである(平成 5年版 犯罪白書)

”在庁略式の方式とは,検察官が被疑者を検察庁に在庁させて簡易裁判所に略式命令を請求(略式起訴)し,即日,略式命令が発せられた段階で,被告人が裁判所に出頭し,裁判所は直ちにその略式命令の謄本を被告人に交付して送達事務を完了し,仮納付の裁判があった場合は,直ちにその裁判を執行して罰金又は科料を仮納付させるやり方である。”

 手続の説明の仕方としては、これは正しい(法務省のお役人が書いているんであろうから当然であるが)。

 しかし、我々弁護士としては、手続の説明はかならず被疑者目線に翻訳しなければならない。
 上のような説明をそのまましたって、一般人にはわからないからである。

 被疑者の方からすると、この方式がとられる場合、どのような動きになるか。
1 まず、当日検察庁に行くということである。
 弁護人としては、「当日、略式罰金の手続がとられる場合は、検察庁にまず行くことになりますよ」という説明になる。
2 次に、検察官が起訴し、略式命令が発せられるわけだが、この手続は被疑者からみると自分が関与しないわけなので、よくわからない。
だから、私ならこの辺の説明は軽く飛ばす。
3 ついで、被疑者は裁判所で略式命令の謄本を交付される。
 「検察庁に行ったら、検察官と裁判官の間で手続があって、罰金の命令がでますから、それを裁判所に受け取りに行くことになります」
くらいの説明になろうか。
4 そして、罰金の仮納付をすることが通常であるので、
 「裁判所から、検察庁にもう一度戻っていただいて、罰金を支払ったら手続は終わりで、帰っていただいてよいです」
との説明をすることとなろう。

もちろん正式裁判の請求ができることの説明も必要である。
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by lodaichi | 2009-08-03 08:48