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3年目くらいまでの弁護士向け実務刑事弁護の覚書


by lodaichi

不起訴処分の告知

 勾留満期になった、被疑者が釈放されたとなったとたんに、弁護人であるあなたは、自分の仕事が終わりだと思っていないだろうか?
 被疑者が釈放になったのは、刑事訴訟法208条の規定によるものであるから、被疑者が起訴されなかったことは間違いないとしても、不起訴処分となったことを意味しない。

第208条 前条の規定により被疑者を勾留した事件につき、勾留の請求をした日から10日以内に公訴を提起しないときは、検察官は、直ちに被疑者を釈放しなければならない。
2 裁判官は、やむを得ない事由があると認めるときは、検察官の請求により、前項の期間を延長することができる。この期間の延長は、通じて10日を超えることができない。

 実際、実務では、通常、釈放時は不起訴処分ではなく、「処分保留」であることがほとんどだ。

 処分保留なのか、不起訴処分のなのか、弁護人が聞けば、検察官は教えてくれるが、そうでなければ、何の連絡もないのが通常。

 不起訴となった場合については、請求があれば、検察官は告知義務があるが(刑訴法259条)、請求がなければそのような義務はないからだ。
第259条 検察官は、事件につき公訴を提起しない処分をした場合において、被疑者の請求があるときは、速やかにその旨をこれに告げなければならない。

不起訴処分告知書の請求をする弁護人は多くないと思われるが、私は請求することにしている。

事件事務規程(法務省訓令)では、この関連の規定としてこんなものがある。

(不起訴処分の告知)
第73条 検察官が刑訴第259条の規定により被疑者に対して書面で不起訴処分の告知をする場合には,不起訴処分告知書(様式第113号)による。
by lodaichi | 2009-04-28 20:09