刑訴規則27条というのは以下のような条文です。
(被疑者の弁護人の数の制限・法第三十五条)
第二十七条 被疑者の弁護人の数は、各被疑者について三人を超えることができない。但し、当該被疑事件を取り扱う検察官又は司法警察員の所属の官公署の所在地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所が特別の事情があるものと認めて許可をした場合は、この限りでない。
被疑者段階の弁護人の数は、原則3名だが、「特別の事情」があれば弁護人の人数超過許可を得ることができるという規定になっています。
最高裁で問題となったのは、ここにいう「特別の事情」にあたるかどうかです。
最高裁の特別の事情についての判示は次のとおりです。
「刑訴規則27条1項ただし書に定める特別の事情については,被疑者弁護の意義
を踏まえると,事案が複雑で,頻繁な接見の必要性が認められるなど,広範な弁護
活動が求められ,3人を超える数の弁護人を選任する必要があり,かつ,それに伴
う支障が想定されない場合には,これがあるものと解される」
最高裁において問題となったケースにおいては、
1 税務申告書に架空の減価償却費用を計上するなどして多額の所得を秘匿したと
いう事件につき,犯意,共謀等を争っている複雑な事案である
2 申立人は被疑事件につき接見禁止中であり,弁護人による頻繁な接見の必要性がある
3 会社の従業員,税理士事務所職員ら多数の関係者が存在し,これらの者と弁護人が接触
するなどの弁護活動も必要とされることなどの事情が認められ,
4 上記のような支障も想定されない
ということから,刑訴規則27条1項ただし書に定める特別の事情があるものというべきであるとしています。