2009年 11月 19日

ギャンブル依存とたたかう

刑事弁護をしていると、競馬にはまって、消費者金融からお金を借りてそのお金を返せないために強盗に及んだだとか、パチスロにはまって、やはりお金がなくなっただとか、そういう事例にあたる。

そういうケースは、被告人が無職だったりすると、検察官は、
「被告人は無為徒食の生活をしていたものであるが」
などといっていたものだが、競馬なり、パチスロなり、いずれもギャンブルであり、それにはまってしまった人は、ギャンブル依存症である可能性が大である。

よって、ギャンブル依存の検討が必要である。

そのためには、有益な一冊

著者
帚木 蓬生(ハハキギ ホウセイ)
は、精神科医

以下、目次をかかげておく。

プロローグ ある主婦の「転落」
第1章 ギャンブル依存症とは何か
第2章 ギャンブル依存者の身体的変化と遺伝・性格
第3章 ギャンブル依存者はどのくらいいるか
第4章 ギャンブル依存症に合併する病気
第5章 ギャンブル依存者と周囲の人たち
第6章 ギャンブル依存と法的問題
第7章 ギャンブル依存症の治療
第8章 ギャンブルとこれからの社会
エピローグ 「再生」

# by lodaichi | 2009-11-19 10:09 | Comments(0)

2009年 11月 16日

事務所の弁護士も被疑者国選が多くなってきているので、例えば、こんなケースも出てきた。

千葉県内でまず逮捕・勾留(例えば、強盗事件;千葉県の弁護士が被疑者国選でつくこととなる)。
その後、別の県(例えば、埼玉県でやった窃盗事件としよう)での事件が発覚した場合、どうなるか?

この場合、千葉県内での強盗事件で、千葉地裁に起訴される。

その後、埼玉県警が窃盗事件で逮捕するとその事件は、さいたま地検に送致される。
勾留されて、要件を満たせば、被疑者国選がつく。
この場合、埼玉県の弁護士が国選弁護人となる。
そして、
嫌疑が固まればさいたま地裁に起訴される。

整理すると、
 千葉地裁→強盗事件(千葉の弁護士が国選弁護人)
 さいたま地裁→窃盗事件(さいたまの弁護士が国選弁護人)
が係属することとなる。

 併合した方が被告人の利益になるので、通常は、どちらかに併合する。
 
 どのように併合されるかはケースバイケースだと思うが、
私の理解では、
 重い事件がある場合は、重い事件のある方
 否認事件場ある場合は、否認事件のある方
である。
 
 上記のケースでは、強盗と窃盗が双方自白であれば、強盗事件のある千葉地裁の方に併合されるのが普通であると思う。

# by lodaichi | 2009-11-16 17:40 | Comments(1)

2009年 11月 12日

 責任能力を争っている弁護士から、鑑定人尋問について聞かれた。
 
 手近な実務刑事弁護本を見てみたが、あまり書いていない。

 医師サイドの目から見た鑑定人尋問について書かれたサイトがあったので紹介する。

http://www.kms.ac.jp/~hsc/kugoh/kantei/kantei_4.htm

なお、
 鑑定人尋問

 鑑定人に対する証人尋問
は違う概念だしやることも全然違うので、注意のこと。

# by lodaichi | 2009-11-12 10:54 | Comments(0)

2009年 11月 08日

 A事件とB事件が併合罪の関係にたつとして、先にA事件が起訴されて、執行猶予判決が確定した場合、B事件がその後起訴されたとき、B事件について執行猶予判決を得ることが出来るか。
 その根拠はどうなるのか。
 B事件が実刑判決となった場合、A事件の執行猶予付き判決はどうなるのか。

 現在、押尾事件をめぐって、このような問題点が生じている。

 実務でもときどき見かける問題点である。

 落合弁護士のブログに整理されているので、そちらを参照のこと
こちら

 そこでも引用されている
 最判昭和32・2・6刑集11・2・503
が重要だから、記憶しておいてほしい。

# by lodaichi | 2009-11-08 07:03 | Comments(0)

2009年 10月 23日

事務所に新たに入所した弁護士と色々と話をする。

どこまで仕事に必要な概念を理解しているか試すためである。

人の興味関心というのは、それぞれで、「弁護士」であるといっても、すべて知っているというわけにはいかない。

だから、いろいろと話をして、理解の程度を試す必要があるのだ。

ところで、今回はなしをしたのは、国選付添人制度(少年事件)についてだった。

改めて調べてみたら、私の理解も不正確だったので、ここで整理して書いておく。

まず、国選付添人選任の要件に関する条文は次のとおり。

(国選付添人)
第22条の3 家庭裁判所は、前条第1項の決定をした場合において、少年に弁護士である付添人がないときは、弁護士である付添人を付さなければならない。

2 家庭裁判所は、第3条第1項第1号に掲げる少年に係る事件であつて前条第1項各号に掲げる罪のもの又は第3条第1項第2号に掲げる少年に係る事件であつて前条第1項各号に掲げる罪に係る刑罰法令に触れるものについて、第17条第1項第2号の措置がとられており、かつ、少年に弁護士である付添人がない場合において、事案の内容、保護者の有無その他の事情を考慮し、審判の手続に弁護士である付添人が関与する必要があると認めるときは、弁護士である付添人を付することができる。


付添い人の選任について、1項は必要的、2項は任意的に記載されている。

で、必要的なものは、
 検察官関与決定(22条の2)がなされた場合(22条の3第1項)
に限られる。

任意的なものとしても  
1.故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪
2.前号に掲げるもののほか、死刑又は無期若しくは短期2年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪
のいずれかの犯罪の事件であることが要件となっている。

そうすると、国選付添い人がつくケースというのは非常に限られるのだ。

これらの事件は、裁判員対象事件よりも狭いのだから。

以下の日弁連の指摘は、このことを踏まえると容易に理解できるであろう。

2009年5月21日から、捜査段階の被疑者国選弁護制度の対象事件が拡大されますが、家庭裁判所送致後の国選付添人制度の対象事件は重大事件に限定されたまま拡大されません。このため、捜査段階で国選弁護人がついても、家裁送致後には多くの少年には国選付添人がつかないまま、「おきざり」になってしまいます。しかし、弁護士は、少年審判が適正に行われるように弁護したり、非行を犯した少年の立ち直りを援助する活動を行うなど、重要な役割を担っています。

是非とも国選付添人制度の対象事件を拡大することが必要です。

# by lodaichi | 2009-10-23 07:21 | Comments(0)

2009年 10月 22日

千葉県弁護士会では、全国的に例をみないと思われるが、当番弁護士制度を廃止してしまって、私選弁護人紹介制度のみを運用している(→過去記事)。

私選弁護人紹介制度
 この制度は、あなたやあなたのご家族が刑事事件の被疑者・被告人となり私選弁護人の選任を希望する場合、弁護士会が弁護人を紹介するというものです。実際に弁護人として選任するか否かは、紹介された弁護士(弁護人候補者)と話し合った上で決めることになります。

これは、千葉県弁護士会のHPに書かれているものであり、制度そのものの説明としては正しいのであるが、実際にこの制度で被疑者と接見する場合は、被疑者国選との関係を意識しておく必要がある。

 資力基準(50万円)を超える資産を有する被疑者は、直ちには被疑者国選の請求ができず、私選弁護人紹介の申し出をしなければならない(刑訴法36条の3第1項)。

 紹介を受けた弁護士は、受任を拒むことができるが(31条の2第2項参照)、拒んだ場合、弁護士会は速やかに裁判所にその旨を通知しなければならない(同第2項)。

 つまり、私選弁護人の受任拒絶により、被疑者は国選弁護人をつけてもらえることになるのである。

 この点について、わかっていない弁護士がいるようだが、これは明らかに弁護士の力量不足であり、被疑者に手続を適切に説明していないものとして、懲戒ものである

 被疑者国選が制度としてあるにもかかわらず、被疑者の請求によることから、被疑者国選がついていないケースも散見されるが、上記のような弁護側の誤解により、被疑者の権利行使を妨げてはならない。

参考条文
第三十六条の三 この法律により弁護人を要する場合を除いて、その資力が基準額(標準的な必要生計費を勘案して一般に弁護人の報酬及び費用を賄うに足りる額として政令で定める額をいう。以下同じ。)以上である被告人が第三十六条の請求をするには、あらかじめ、その請求をする裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内に在る弁護士会に第三十一条の二第一項の申出をしていなければならない。
2 前項の規定により第三十一条の二第一項の申出を受けた弁護士会は、同条第三項の規定による通知をしたときは、前項の地方裁判所又は当該被告事件が係属する裁判所に対し、その旨を通知しなければならない。

第三十一条の二 弁護人を選任しようとする被告人又は被疑者は、弁護士会に対し、弁護人の選任の申出をすることができる。
2 弁護士会は、前項の申出を受けた場合は、速やかに、所属する弁護士の中から弁護人となろうとする者を紹介しなければならない。
3 弁護士会は、前項の弁護人となろうとする者がないときは、当該申出をした者に対し、速やかに、その旨を通知しなければならない。同項の規定により紹介した弁護士が被告人又は被疑者がした弁護人の選任の申込みを拒んだときも、同様とする。

# by lodaichi | 2009-10-22 06:40 | Comments(0)

2009年 10月 21日

2008年4月のものであるが、医療観察法施行後2年を振り返るものとして(執筆者は裁判官)以下のものがある。

判例タイムズ 1261号19頁
 医療観察法施行後2年の処遇事件の処理状況について

判例タイムズ 1261号25頁
 医療観察法施行後2年の現状と課題について


# by lodaichi | 2009-10-21 17:52 | 医療観察法 | Comments(0)